天草には希に白く硬いもの通称「カキ」が付着していることがあります。実はこれは石灰藻という海藻の活動の結果、できてしまう物です。天産物ですので人体には影響はありませんが、今回はこれについてご報告いたします。
《目的》
・一般的に天草にカキが多く付着すると煮熟しにくくなると言われる。これはカキが石灰質でできており、煮熟した溶液に石灰分が溶解してpHがあがる為である。
・本試験では実際にカキが付着した天草を煮熟し、pHを確認した。
《方法》
・天草2.5gに水道水250mlを添加してpHを測定。その後、5分間強火で煮熟し、その水溶液のpHを測定。使用したphメーターはMettlerToledo製pHメーター「SvenGoTM」。
・対象はカキ付着の無いマクサとカキ付着が多いサルクサである。
《結果》
・煮熟前にpHを測定したところ、あまり差は確認されなかった。
・煮熟後のデータを下グラフに記す。カキが多いサルクサの水溶液はカキが少ないマクサの水溶液よりもpHが高かった。
・以上より、カキが付着した天草を煮熟すると石灰水が溶解し、pHがあがると考えられた。
※上記グラフの30℃近辺の値は煮熟後、冷却された時のpHである
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