毎年12月から3月にわたって行われる糸寒天の製造報告です。(概要)
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01 2025/01/07 山岡寒天見聞録@ 山岡寒天製造開始
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回は新入社員の真柄が報告させていただきます。
至らぬ点もあるかと思いますがご容赦いただけたら幸いです。
本日(1/7)13時頃の山岡町での気温は5℃と低かったのですが、曇りが続いているため寒さはそこまで感じられませんでした。
12月上旬から山岡町では寒天の製造が始まっています。
しかし、今年度は暖冬の影響や曇りが続いている天気の影響で、湿度が高くなりスッキリと晴れて気温が下がる日が少なくなっています。
上記の影響で、生天(天草抽出液が凝固されたもの)の冷凍・乾燥があまり進まず、細寒天の製造が遅れる状況となっています。
このため、次の生天が冷凍・乾燥できず棚詰まりになりかけています。
天気予報ではこれから雪が降るということで、寒天が濡れないようにビニールシートを
被せていました。
しかし、夕方16時頃には雲が少なくなり、晴れてきました。
自然相手の生産は難しいと実感しました。
これから晴れて気温が下がり、順調に寒天が製造されることを期待しています。
(作成者/真柄海大)


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02 2025/01/20 山岡寒天見聞録A:カガミと凍て
本日15時半時点での天気は晴れで、気温も割合暖かく乾燥が進んでいます。工場ではカガミ(※1)となった寒天に夕陽があたっています。徐々に寒天が出来ていくと実感しています。
12月から天気が悪く、なかなか寒天が上がらなかったですが、 少しずつ野上げされてきました(※2)。しかし、なかなか天気は安定しないようです。
昨日、早い段階で凍て(※3)が入り、生天が凍ると思いましたが、夜のうちに雨が降り、また凍ての取り直しです。
他の号数も表面は凍てが入っても、下部層はまだ凍てが入りきっていない状態です。製造はなかなか難しいものです。
気づけば、もう1月後半。寒天製造も最盛期から追い込みに向かいます。寒天製造に適した、日中は晴れて夜は冷え込む事を期待します。
※1カガミ:凍った生天を乾燥しやすくする為に、簀を斜めにして太陽光に当たりやすくする作業。
※2野上げ:乾燥した寒天を纏めて簀から上げる作業。
※3凍て:「凍てが入る」とは「巨大なトコロテンが凍り始める」ことを指す。
(作成者/森田祐貴)

図1. カガミとなった寒天
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03 2025/01/28 山岡寒天見聞録B 寒天作り最盛期
本日10時半頃の山岡町の天気は曇り。
道中の標識表示で気温は4℃と少し寒く感じました。
12月は曇りが多く昼間になっても生天が乾かなかったことから、製造量が例年に比べ少なかったです。
しかし、1月は昼間に晴れることが多く例年通りの寒天が製造できていました。
昨年は2月上旬までは天然冷凍で製造していたため、今年も2月上旬までは天然冷凍でできそうです。
また、同じ天草の配合でも煮えすぎたり粘りが出過ぎたりして上手くできないことがあるため、天候も相まって寒天作りは難しいなと感じました。
本日はこれから雪が降るということで、寒天が濡れないように棚にビニールを被せている状態でした。
これから2月に向けて気温が低くなり天気も安定していく予報なので、これからの製造に期待したいところです。
(作成者/真柄海大)

棚場の状況
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04 2025/02/03 山岡寒天見聞録C:透き通る白さ 山岡の寒天
本日12時半頃の山岡町の気温は、道中の標識表示で8℃。少し風はありますが、気温がある為それほど寒くは感じません。現在雨は降っていませんが空は厚い雲に覆われ、ぐずついた天気が続いています。
本日も棚場は、乾かしている寒天が濡れないように簀を重ねてビニールが被せています。(図1)
明日からの3日間の予報も雨の為、棚場には乾いていない寒天が並び作業が難航しています。昼からも10分程だけ雨がぱらつきました。天候が安定しない日が続いている為、少しでも作業を進めようと棚を広げて寒天を乾かすのか、それとも雨を見越してビニールを被せておくのか、製造の判断が難しい日が続いています。
今朝天突きした生天(※1)(図2【写真の下】)と一昨日天突きした生天(図2【写真の上】)です。凍てが入った物との比較になります。1日の違いで見た目にかなり違いがありました。
また棚場で一番乾いている寒天(図3)です。透き通るような白さで不純物がしっかり抜けとても綺麗です。山岡が寒天作りの盛んな地である由縁を感じました。
天候に振り回される日が続いていますが、来週の日曜辺りからまた天気が回復する見込みなので、そこからの製造に期待します。
※1生天:天草の絞汁液を固めて天突き器で出した物 巨大ところてん
(作成者/森田祐貴)

図1. 本日の棚場

図2. 生天の比較

図3. 乾いている寒天
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05 2025/02/12 山岡寒天見聞録D 寒天作り大詰め
本日11時頃の山岡町の天気は晴れ、気温は3℃と少し寒く感じました。
先週に降った雪もまだ残っており、冷え込みが続いています。
青空の下、棚場では寒天の乾燥作業を行っていました。
一面に広がる寒天を見るとやはり気持ちいいものです。
寒天も真っ白で綺麗に仕上がっていました。
来週からまた雪が降る予報なので濡れないようにビニールを被せたりと忙しくなりそうです。
また、 学生さんが山岡の伝統産業である寒天製造を手伝っており頼もしく感じました。
本日は晴れていたためくっきりと恵那山が見えました。
昔から恵那山に雪が積もっている間は寒天が天然冷凍できる目安となっています。
まだ雪が残っている程冷え込んでおり、今後も晴れる予報のため寒天が多く製造されそうです。
(作成者/真柄海大)

棚場の状況

雪が積もっている恵那山
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