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山岡寒天の旅
毎年12月から3月にわたって行われる糸寒天の製造報告です。(概要)
山岡寒天見聞録 令和3年度(2021)
01 2021/12/24 山岡寒天見聞録@
02 2022/01/05 山岡寒天見聞録A:謹賀新年
03 2022/01/18 山岡寒天見聞録B:寒天作り本始動
04 2022/01/20 山岡寒天見聞録C:山岡寒天 美味しさの秘訣!?
05 2022/02/07 山岡寒天見聞録D:春の足音は
06 2022/02/24 山岡寒天見聞録E:今年の天然寒天

01 2021/12/24 山岡寒天見聞録@

2020年より入社させていただきました森田祐貴と申します。
天草や寒天の事については、まだまだ知らないことばかりなので、
沢山勉強させていただき、お客様に最適な商品をお届け出来るように
努めて参ります。

先日岐阜県恵那市の山岡町へ行ってきました。
午前中は風が冷たく感じますが、お昼は暖かく感じました。

さて寒天の製造状況としましては、寒天製造に向く天候の日が少なく
なかなか進まない状況となっています。

原因としては、朝方気温が冷える日もあるけれど、
曇ってしまうと凍てが付かない事や、
冷える日が連日続かないと天然冷凍で寒天を製造出来ない点等が挙げられます。
冷凍庫を使用して行っている工場は年間を通して作っていますが、
天然冷凍で製造する工場はこれから開始するという感じです。

とある工場の天草(寒天の原料)の洗い場は、とても深い水槽で大量の天草を伝統の機械で洗い、取り出しは手作業で行っており、とても力のいる作業です。
また山岡町の水はとてもきれいで、この水もおいしい寒天に関係していると思います。

(作成者/森田祐貴)

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02 2022/01/05 山岡寒天見聞録A:謹賀新年

1月5日11時。4度。
快晴。
風は少し冷たいけど、
空気が澄んでいる。
まさに新年。

このところの強い寒気で
寒天がよく凍った
年末年始は特に冷え込んだ。
−15度〜−12度。

今日は寒天日和。
簀をカガミにする。
簀を回転させる。
野上げする。
作業がすすむ。

12月初旬は暖かったが、
新年はいい感じ。
どの工場も新天ができはじめている。

16時30分。
恵那山が夕日に染まりだす。
寒天小屋が赤くなる。
棚場からは氷を削る音。
凍てをとる音だ。
気温は1度。
まだまだ冷えそうだ。
今夜はよく凍るな。

※カガミ:凍った生天を乾燥しやすくする為に、簀を斜めにして太陽光に当たりやすくする作業。

※回転:カガミとなった寒天は上方と下方で乾燥具合が異なる。乾燥を均一にする為、簀を一回転させる作業。

※野上:乾燥した寒天を纏めて簀から上げる作業。

※凍てをとる:生天に粉砕した氷をかける作業。粉砕された氷を起点に生天が凍り始める。

(作成者/社長 森田尚宏)

快晴に恵那山がはえる。

乾燥していく細寒天

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03 2022/01/13 山岡寒天見聞録B:寒天作り本始動

岐阜県恵那市の山岡町の道中、
雪が降っており気温は0℃や−1℃の所も見受けました。
雪はその後も昼頃まで降り続けました。

棚場の寒天は濡れないように簀を重ねてビニールをかけています。

気温も下がり寒天作りもいよいよ本始動です。
これからの製造が楽しみです。

また道中民家の方が雪かきをする姿が印象的でした。
雪かきを行う人はご年配の方も多く、リズム良く雪かきしており、
山岡町の方のパワフルさを感じました。

(作成者/森田祐貴)

雪が降り積もる山岡町

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04 2022/01/20 山岡寒天見聞録C:山岡寒天 美味しさの秘訣!?

本日10時頃の山岡町の気温は、道中の標識表示で0℃。風が吹き肌寒く感じ曇っていて、お昼に一時的に雪が降りました。午前中乾かしていた寒天が濡れてしまうといけないので、簀を積み上げてビニールをかけます。雪は1時間程で降り止み太陽が出てきたので、また簀を広げます。

なかなか天気が定まらず、出したりしまったりと大変な作業に感じましたが工場の方は明るく笑顔で「太陽が出てくれて絶好の寒天製造日和だ」と話していました。こうした笑顔で作る製品の先に美味しさの秘訣があると感じました。

また恵那山には雪がかかっていました。(同日14時頃の恵那山の写真)
昔から恵那山に雪が積もっている間は寒天が天然冷凍出来る目安になると言われています。

暫く良い天気が続く予報なので、今後の製造が楽しみです。

(作成者/森田祐貴)

10時頃の山岡町

雪が降り積もる恵那山

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05 2022/02/07 山岡寒天見聞録D:春の足音は

2月7日
快晴。
立春を過ぎると
陽は柔らかい。
風も優しい。
天然寒天もそろそろか。

例年ならそう思うところだが、
今年は少し違うか。
昨日迄の大寒波で一面真っ白となった。
雪雲が去っても寒波は残り、
本日の最低気温は−10℃、11時時点でも3℃。
陽がさしても、やはり寒い。

2月はまだまだ冷え込む予報。
12月が暖かかった分、
天然寒天の製造は2月後半までいけるかもしれない。

タンタンとリズミカルに天筒を引く。
冷えた生天をたたいていく。
手がかじかんでいく。
息が白くなる。
棚場の寒天は陽に照らされて光る。
気つけばもう夕方だ。

※天筒を引く:「角切の生天」から「細引きの生天(特大のトコロテン)」を作る作業。 トコロテンの様にトコロテン突きで突くと「細引きの生天」が波打ってしまう。 この為、天筒(「角切の生天」を入れる容器)を引いて「細引きの生天」を作る。

※生天をたたく:「細引きの生天」が均等に凍るように厚さを均等にする作業。 製品の出来映えに直結する為、技術が必要。

(作成者/社長 森田尚宏)

角切り生天の切り出しマンガを引く

生天を運ぶ

生天の筒引き

生天のたたき

陽に光る寒天

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06 2022/02/24 山岡寒天見聞録E:今年の天然寒天

本日9時半頃の山岡の気温は、道中の標識で−4度、−1度、+3度と場所によってまちまちでした。

面白い場所を見つけました。(写真1:霜柱が残る地面)
昼夜の気温差が大きく車の影になっている所は霜が残り、日向の所は溶けていました。(霜の所を踏むとしっかりと霜が残っており、シャリシャリと音がしました。)※雪も同様に影の所は今も残っていました。(写真2:雪が残る地面)
寒天作りに適した地である由縁を実際に見て感じられました。

さて天然寒天の製造は例年2月10〜15日頃までで、その後は寒天がうまく凍らない日が多いです。今年も同じ頃まで製造を行いましたが、寒い日が続き無事に寒天も凍りました。
その為15日まで質の良い寒天の製造が出来ました。
寒天作りが出来る目印となる恵那山には、本日も雪が積もっていました。(写真3:本日の恵那山)

また今週の土曜(2/26)頃から暖かくなる予報のため、棚場を片付け始めている工場もチラホラと見られました。

(作成者/森田祐貴)

写真1:霜柱が残る地面

写真2:雪が残る地面

写真3:本日の恵那山

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