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天然糸寒天製造報告 平成18年度(2006)
01 2006/11/24 寒天製造準備(杭打ち)
02 2006/12/03 新寒天製造開始
03 2006/12/06〜07 凍てとり・天突き
04 2006/12/10 凍らず
05 2006/12/14 未だ凍らず
06 2006/12/19 ついに凍る!
07 2006/12/28 乾燥、野上げ作業
08 2007/01/05 完成!!
09 2007/01/10 雪。
10 2007/01/17 煮熟条件の検討
11 2007/01/22 美味しさの数値化(ゼリー強度試験)
12 2007/02/03 明日は立春、乾燥進む
13 2007/02/17 終了近し
14 2007/03/02 記録的暖冬

01 2006/11/24 寒天製造準備(杭打ち)

 今年の初釜は12月1日を予定としており、現在はそれに向けて干場の土台となる杭を打ち込んでいるところである。山岡の冬の風物詩ともいえる天然寒天は、収穫後の水田を利用して干す。実際に干場まで足を運ぶと、収穫後の稲の間に多数の杭が打ちこまれて、晩秋を感じさせると共にこれから製造が始まることがわかる。日差しはまだ暖かいが、これから冷え込んでいくと天然寒天の季節となる。
 天草を煮熟する釜はほぼ設置完了であり、残るは足場となる土台を完成させるのみであった。ヒノキ製の絞り場に関しては設置完了しており、最終調整としてヒノキで出来ている枠組みに水を浸して膨張させ、絞り出された寒天溶液が漏れ出さない作業をする。ヒノキで出来ている利点としては絞り出された寒天溶液が冷えにくいことがある。
 天然寒天の命とも言われる水に関しては、山からの湧き水を利用している。湧き水を溜める箇所は山の中腹に三箇所あり、本日は製造前の掃除をしている。溜められた水は谷沿いに流れ、谷により浄化され、ミネラル成分等が吸収されていく。こういった水は、美味しい天然寒天の重要な要素となる。
 現在、12月1日の初釜に向けて着々と準備が進められている。

(今回より社長に代わり森田尚宏が報告致します)

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02 2006/12/03 新寒天製造開始

 気温は高めであるが、日柄が友引で良いということで12月1日に初釜を開始した。
 早い工場では11月28日のところが1工場、11月30日で1工場、他ほとんどは12月1日が多かったようである。
 日中、午後1時で10℃を超えているので、半月はゆうに天気のすすみ具合が遅れている。朝の最低温度が−5℃ほどいって欲しいところが、ここのところ天気が良く晴れていても−2℃ほどで、なかなか生天の中心まで凍り付くまでいっていない。今年の製造釜数は13工場となり、昨年より1工場減になっている。今年の原料調達はてんぐさ高値が7月いっぱいまで続いたので、どの工場も平均価格が昨年より50%ほど大幅に上がっている。配合上、使用する外国産のものも昨年の50%〜80%高であったので、この面でも産地全体の寒天製造業者にとってみればきびしいものがある。
 また、来年度の韓国からの糸寒天輸入価格も20%ほど高くなっているので、寒天全体にとってみれば上昇気配である。
 また、粉寒天原料のおごのりについては品不足がいわれ、その手当が重要課題となっている。
 ともあれ、波乱含みであるが、新寒天の製造が開始された。

(報告/社長 森田 庄次)

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03 2006/12/06〜07 凍てとり・天突き

 この日は割合暖かかったが(15:30、11℃)、今晩から冷え込みが期待される快晴であった。
 棚場には初釜より6日目ということもあって、白い生天がずらりと並んでおり、冬空の下、各々の生天は様々な様相を呈していた。初釜の生天等は水分が抜け始め、いわゆる糸寒天に近づきつつあったが、一方で昨日煮熟した生天はまだ弾力のあるトコロテン状態で、これから「凍てとり」が行われる必要があった。
 「凍てとり」とは、良質な天然寒天を製造する為には欠かすことができず、粉状の氷(凍て)を付着させて冷凍し易くさせ、シビ防止を行う作業である。行うには0℃付近の棚場で待機して、適正な時期を見極めて即座に行わなければならないが、この日は17:30に気温が急激に下がり(2℃)、生天の表面がピシピシとなり始めて、「凍てとり」のタイミングとなった。
 カリンカリンという音を立てながらカマで氷を削って「凍て」を作っていくが、18:30にもなると生天の上に降り注がれた「凍て」は次第に凍り始めてキラキラと輝いていった。この日は19:00頃に終了したが、時には深夜にも及ぶ大変な作業である。
 翌日はうってかわり雨の様相であった。この為、乾燥中の生天が雨に晒されないようにブルーシートを準備しつつ、昨日煮熟させたばかりの生天を天突きしていった。天突きされた生天はその後、均一に乾燥するよう平らにのばされ、「凍てとり」が行われていく。天突きは職人的な技術を必要とし、まっすぐ出されなければならないが、平らにのばす作業でさえも、均一にのばさなければならなく、なかなか難しい。
 このような職人的な技術は自然の恩恵とともに山岡の天然寒天を支えているといえる。

(報告/森田 尚宏)

山岡糸寒天製造風景

糸寒天天突き

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04 2006/12/10 凍らず

 12月1日から寒天製造はスタートしたものの、気温の暖かい日が続き、乾し場に突き出した。
 生天はまだ凍っていない。5日の朝が−5℃、6日の朝が−3.5℃と2日間凍ったのみである。
 今日10日は8日に釜炊きした分が出て、これで8日間分の寒天が生のままで並んでいる。
 山岡地区の他の工場でも同じような状態が続き、中には先の天候を読み、2日間くらい一時製造中止をする工場もあるようである。また、急遽冷蔵庫設備のある工場では冷蔵庫で凍らす対策をとっているところもあるが、それとても3日から4日分の対応しかできず、苦慮しているところが続出である。
 夕方に東方にある恵那山をみれば、雪をかぶらず夕日で赤く照らされている。
 少なくとも恵那山の頂上に雪がかぶっていなければ本格的な寒さは期待できず、これから先が思いやられる。

(報告/社長 森田 庄次)

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05 2006/12/14 未だ凍らず

 未だ暖かい日が続き、12月半ばであるにもかかわらず恵那山にはまだ雪が積もっていない。過ごしやすく気持ちいい気候であるが、天然寒天を作るには残念ながら暖かすぎで、早く冷えが強くなってくれることを期待している。
 昨日は生産調整の為、一旦炊き込みを中止し、本日は休養である。棚場に出て確認すると11:00で8℃と暖かく、今日もあまり冷えは期待できない。更に午後からは雨も降るとのことで、簀にはブルーシートを被せて雨対策を実施した。生天は3日外気に晒してようやくシバが入った程度で、初釜である一号ですらも内部はまだ生天に近い状態であった。
 天然冷凍出来ない場合、工場によっては冷蔵庫を用いて冷凍させることもある。しかし、質としては天然で冷凍された方が良い為、寒天産業に携わる人はやはり冷えが強くなることを皆期待している。自然相手とはいえ良品を作るには中々大変である。

(報告/森田 尚宏)

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06 2006/12/19 ついに凍る!

 ここ二日間で−5℃と久しぶりに冷え込み、恵那山にも少しであるがようやく雪が積もり始めた。これまで凍らなかった生天もこの二日間でかなり凍り、2号までは鏡に落とした状態(乾燥させる為に斜めにして太陽光がよく当たる様にすること)で乾燥を待つのみとなった。晴れているので、乾燥して糸寒天となっていくのが待ち遠しい。
 夕刻になると、和釜で炊き込みを始める。天草を全て投入し終えて1時間程度炊き続けると、煮上がって吹き出しそうになるので、その直前で火を止める。このタイミングが難しく、釜の状態をよく観察しておかなければならない。更に火を止めても気は抜けない。釜から出てくる湯気から「かえり(釜の中の草の煮え具合の良否)」を推測しなければならない為だ。今回は通常通り約4分毎に湯気がでてきたが、この蒸気の噴き出し具合からすると若干「かえり」は弱いようであった。
 棚場に再度出てみると、工場の倉庫からは先程の湯気がもくもくと出ていた。西の空にはまだ羊雲のみであったので、予報では天気は下り坂とのことであったが、まだ二三日は持つだろうと思った。明日の朝迄に生天がたくさん凍り、製品となっていくことを願った。

(報告/森田 尚宏)

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07 2006/12/28 乾燥、野上げ作業

 22日(金)にはある程度凍結が進んで、その後を楽しみにしていた。おととい26日の冬の嵐も雨は大降りしたけれど風は少なく済み、今日は天気も良く乾燥日和りになった。それまで棚場にたまっていた凍結状態の寒天を一気に鏡状態する作業を午前中に終えて、乾燥を進ませる。撮影時間27日午前10時30分(写真上)。
 午後には乾燥完了するロットもあり、野上げ作業(乾燥した寒天を簀からはずし、梱包倉庫へ運ぶため棚場で約20kg前後にひとくくりする作業)をする。撮影時間27日午後3時。この作業ができるおかげで空き棚ができ(写真下)、ひき続き寒天の製造をすすめることができる。都合2日釜炊きを休みにしたが、正月までのみとおしはなんとか立った。
 なお、できあがった寒天をさっそく2点、岐阜県寒天研究室に持ち込み物性試験を依頼した。結果はゼリー強度、5号490gc、6号470gc;粘度、50℃で5号13.5cp、6号11.2cp、60℃で5号11.0cp、6号9.2cpの報告があり上々の結果であった。(粘度はエミラー型粘度計測定値)

(報告/社長 森田 庄次)

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08 2007/01/05 完成!!

 新年あけたばかりであったが、日中は春のように暖かく、過ごしやすい陽気であった。しかし明け方は−7℃まで冷え込み、寒天の製造に最適な天候であった。冷え込みが強いと生天には凍てがしっかりのり、日中暖かいと生天から水分がどんどんぬけていくからである。このような気候は年末から年始にかけて続いた為、同時期で生産日数が昨年度より3日が多くなり、このままの調子でいけば生産量が増加することが期待できた。
 簀の上の寒天はほぼ乾燥していた為、簀をたたむ要領で重ねられて集めていった。これを「のあげ」というが、この時、「未乾燥の寒天」や「木の葉」等を確認・取りのぞきを実施して、よりよい寒天を精選していく。
 天然寒天は冷凍寒天と異なり、数日間かけて凍らす為、簀の上で作られた寒天は全体的にふんわりとしていてほどけやすく優しい感じがする。しかし一方で綺麗に集めないと梱包したときに見た目が悪くなってしまう。この為、綺麗にたたんでいくことも必要であり、「のあげ」は様々な要素が詰まった重要な操作といえる。素早く確認して綺麗に集め、製品として価値のあるものにしていくのは職人的な技といえる。

(報告/森田 尚宏)

のあげ

完成した寒天

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09 2007/01/10 雪。

 6日から8日にかけて通過した爆弾低気圧の影響で、5日間でずいぶん様子が変わり、山岡全体が銀世界となっていた。棚場の天然寒天も柔らかい雪に囲まれているせいか、いっそうふんわりした感じで完成された製品が今からでも楽しみであった。生天にも凍てがしっかりと入っており、まさに良質な寒天の製造に適した気候到来という感じである。
 棚場にでると、号数毎にそれぞれ状態が異なっており、気候の条件に大きく左右されることがよく分かった。「野あげ待ちの寒天」、「あと数回乾燥後に野あげされる寒天」、「凍てが入り鏡状態となった寒天」、「凍てが入ったばかりの生天」、「生天」といった具合に様々である。因みに「鏡状態となった寒天」の中には、少し簀の上でずり落ちてしまうものもある。夕刻になって凍てが溶け、斜度に耐えられなくなって簀の上で滑ってしまう為である。この状態だと寒天が寒天の上に重なってしまう為、二人がかりで丁寧に直していかなければいけない。
 棚場で巡回をしていると、工場から湯気が立ち上るのが見えた。丁度釜の中の湯が炊きあがった証拠である。棟梁は急いで工場へ走っていき、炊き込みの準備に入った。今日はよく冷え込みそうで棚場では既に凍てとりの準備が行われていた。今晩も良く凍てがのりそうだ。

(報告/森田 尚宏)

完成した寒天

立ち上る湯気

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10 2007/01/17 煮熟条件の検討

 今日は煮熟の条件をかえて生天のゼリー強度や粘度、絞り具合、かえり等を調整することにした。実施することは酸の度合いの調整であり、酸が低い場合は生天のネバリが強くなり、高い場合はネバリが弱くなる。変更した条件が適切かどうかは、生天を割ってみることで判断する。割ったときにジワリといった感じで割れる場合は低く、一方でパリンと気持ちよく割れると良い生天といえるのである。ただし、度合いが強すぎても、生天のネバリがなくなる為、その量が良質な生天を作るポイントとなる。
 理化学的な点からみれば、寒天は小分子(単糖:D-ガラクトースと3,6-アンヒドローα-Lガラクトース)が多数結合した巨大分子(多糖類)である。寒天の凝固作用はこの巨大分子同士が絡みあって現れる。しかし、酸により巨大分子の分解が行われ始めると(加水分解)、分子が小さくなっていく。分子が小さくなると絡み合いが巨大分子の時よりは少なくなり、結果的に寒天はネバリが低下していく。粘度の低下はこの機構が作用していると考えられている。一方で酸は原藻の外皮の成分を分解して内部に存在する寒天質を多く抽出してくる(*、**)。この為、酸量が過多であると寒天質は多く抽出されるが小分子となってしまい、ネバリがなくなってしまうので、酸量が良質な生天を作るポイントとなる。
 今回はこれまでより若干高くしたところ、釜の内部の原藻のかえりはよく、釜から勢いよく湯気がでていった。出た湯気は天井一杯に広がり、その後工場の外へと出て行った。適切な度合いであった。

(報告/森田 尚宏)
* 寒天ハンドブック 農学博士 林金雄 岡崎彰夫 光琳書院 1970,(252-272)
** 海藻利用の科学 山田信夫 成山堂書店 2000(120)

勢いの良いかえり

寒天の分子構造

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11 2007/01/22 美味しさの数値化(ゼリー強度試験)

 一年の内で一番寒い大寒の割にここ数日暖かい日々が続き、正月明けに積もった雪も全て溶けてしまった。ただ、寒天の製造に関しては本日まで晴天が多かった為、寒天は順調に仕上がっている。また、凍てがのっていない生天も少々あるが、一度冷え込んで凍てがのれば、後は冷凍/乾燥の繰り返しの為、寒天の製造は順調に仕上がると期待できる。
 生天に関しては、先週酸の度合いを検討したことが功を奏したらしく、パリンと気持ちよく割れた。良い生天ができた証拠である。
寒天の美味しさの目安であるゼリー強度であるが、日寒水式の方法が広く採用されており基本的な考えとしては '1.5%寒天溶液を作成し20℃で15時間放置凝固せしめたゲルについて、その表面1平方cm当たり20秒間耐えうる最大重量(g数)とする' となっている。
 寒天研究室では1.5%寒天溶液を作成して(寒天6gに脱イオン水400ml添加後、逆流冷却器により15分間加熱溶解)、20秒で破壊される時のオモリの重さをゼリー強度としている(凝固条件は温度20℃・湿度98%)。当方法は上記基本に則った正確な方法であるが、加重前に寒天の感触から大凡のゼリー強度を判断せねばならず、長年の経験が必要である。
 一方、弊社の方法は凝固した1.5%寒天にオモリをのせ、寒天が破壊した時間とオモリの重さを記録し、計算式から算出する方式をとっている。この計算式は寒天ハンドブックに記載されており、この方法で算出しても寒天研究室の試験結果と大きく異なることはない。この為、弊社では当方法を用いることにしている。こういった方法を用いて寒天の美味しさを客観的に数値化させ、更に外観の形状で最終的に良否を判断している。

(報告/森田 尚宏)

順調に仕上がっていく寒天

逆流冷却器を用いたゼリー強度試験

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12 2007/02/03 明日は立春、乾燥進む

 ここのところ日差しが強くなり乾燥がよく進んでいる。写真のように空きの棚が増えているのがわかる。
 今日の天出し分を入れて10日分が棚場にある状態で、一時20日間分近くあったことを思うと格段の差である。日中は気温も10℃ほどになり融解、乾燥が順調に進んでいる。夜間から明け方にかけても晴れるので好都合である。夕方5時ころには0℃に、また明け方6時ころは零下7℃ほどまでになる。ここほどまで冷えると、前日に天出しした生天も下1本ほど残してほぼ凍っている。通常3日から4日かかる凍結が1〜2日ですみ、天気がよく日差しも長くなってきているので、10日ほどで仕上がってくるわけである。
 ただ、今年は雪が極端に少なく暖冬傾向にあるので、暖かくなって雨が連続して降るような気圧配置になってくると早々に寒天製造はきりあげなければいけない。
 予定の2月22〜25日までを製造期間と考えていたが、20日前の終了もありうる状態である。

(報告/社長 森田庄次)

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13 2007/02/17 終了近し

 春の陽気が強まってきた。2月14日に「春一番」が関東から西日本にかけて吹いた。東海地区では昨年より30日早い。ちなみにその日の寒天工場の乾し場での朝の最低気温はプラス7℃であった。
 今日17日も昼12時30分ごろは日差しがあったが、午後3時ごろから雨がぽつぽつと降り始め、夕方5時半ごろには本降りになった。雪かみぞれであればいいのであるが、雨になるのはこの冬、暖かい証拠である。当初22日ごろまでを製造期間として考えていたが、ぎりぎり延ばして20日をもって最終日と決定した。他の工場でも早く終わらせたところでは14日があり、そのほか18日、19日の最終日としている工場もそれぞれあり、軒並み短縮している。製造日数としては70日から75日前後の工場が多くなり通常年の85日に比較して10日以上少なくなり10〜20%程度の減産になりそうである。当社では76日になる。
 昨年の同時期を参考にみたら、やはり2月半ばから急に暖かくなり、洗った草を急遽乾して終了させている。今年はまれにみる暖冬年であった。
 なお、新寒天の相場は原料が30%以上大幅に上がってはいるものの製品価格では5〜10%の上げで推移、出荷されている。暖冬の減産もあり寒天製造業者にとっては経営上きびしい年となっている。

(報告/社長 森田庄次)

2月17日17時30分

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14 2007/03/02 記録的暖冬

 22日朝、天出しした寒天が、ようやく昨日の朝−6℃と今日の朝−3℃でなんとかものになったようでホッとした。最後の寒天を残して棚場はどんどん片付けられていく。
 今年は冷え込みがすくなかったので、田圃の土も凍ることがなく歩くのに足をとられやすく難儀をした。
 気象庁が3月1日に発表した今冬の気象では、平均気温は平年を1.52度上回り、統計が残る1899年(明治32年)以降で過去最高だった1949年(48年12月〜49年2月)と並んだとなっている。
 また、降雪量も北陸地方が平年の9%にとどまり、地域別降雪量は統計のある1962年以降最少を更新したことを報じている。(日経新聞3月2日の朝刊)
 ちなみに、冬の平均気温が1989年(平成元年)から1993年(平成5年)までは1度前後高く、暖冬の5年間であったことが新聞報道のグラフからわかる。
 暖冬は、冬の寒天製造のみならず、春から夏のてんぐさの生育にも影響をおよぼすことがいわれているので注意が必要である。

(報告/社長 森田庄次)

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