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てんぐさ入札会報告 平成16年(2004)
00 2004/05/12 昨年度(H15)の報告
01 2004/06/08 徳島県第1回入札会(てんぐさの乾燥の良否)
02 2004/06/17 東京都第1回入札会(伊豆大島の操業者数)
03 2004/06/23 静岡県第1回入札会(樽ダンス)
04 2004/06/29 和歌山県第1回入札会(赤草と晒天草)
05 2004/07/02 三重県第1回入札会
06 2004/07/06 愛媛県第1回入札会
07 2004/07/07 静岡県第2回入札会
08 2004/07/08 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会
09 2004/07/15 東京都第2回入札会
10 2004/07/22 伊豆、八木沢・小下田第1回入札会
11 2004/07/28 静岡県第3回入札会
12 2004/07/29 和歌山県第2回入札会
13 2004/08/03 長崎県第1回入札会
14 2004/08/06 三重県第2回入札会
15 2004/08/19 東京都第3回入札会
16 2004/08/25 静岡県第4回入札会
17 2004/08/26 徳島県第2回入札会
18 2004/08/27 高知県漁連第1回入札会
19 2004/08/31 城ヶ島漁協第2回入札会
20 2004/09/10 愛媛県第2回入札会
21 2004/09/16 東京都第4回入札会
22 2004/09/21 伊豆八木沢・小下田第2回入札会
23 2004/09/22 静岡県第6回入札会(第5回は中止)
24 2004/10/13 静岡県第7回入札会
25 2004/10/22 東京都第5回入札会
26 2004/10/26 平成16年 まとめ

00 2004/05/12 昨年度(H15)の報告

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成15年 平成14年 平成13年 平成12年 平成11年
東京都 72 67 78 95 178
静岡県 106 202 176 159 169
三重県 65 27 44 51 38
和歌山県 27 27 36 48 36
徳島県 36 71 146 98 47
愛媛県 99 132 128 138 156
高知県 6 5 29 32 17
長崎県 19 18 28 21 32
上記産地計 430 549 665 642 673
全国生産量 537 658 767 789 821

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2004/5/12

 全国生産量は537トンとなり前年の658トン、前々年の767トンに比較して大幅な減産となった。昨年対比81.6%で終了した。
 平成15年は6月から8月前半のてんぐさ収穫時期として一番いい時が天候不順、長梅雨にたたられて出漁日数が減り、その結果てんぐさの水揚げ数量が大幅に少なくなった。
 平成15年7月16日の日本経済新聞の朝刊では梅雨寒列島;6月後半の日照時間は西日本の太平洋側で平年の50%、東北地方では10%と報じていた。特に静岡県の西伊豆地区では近年大量生産地となった仁科浜を始めとして土肥漁協八木沢地区が作柄不良のところにこの天候不順の影響で減産、静岡県全県では昨年202トンから106トンとなった。
 この減産で各地の価格も軒並みに上昇し、それぞれ前年比30%から50%高で推移、徳島の2回目入札会では前年比2倍ほどの価格になった。
 今まで、浜での生産者の高齢化がいわれ生産意欲の減退、将来の採取量の減少が叫ばれていたものの、高値に刺激され一部の浜では増産意欲の高まりを確認できた年でもあった。
 てんぐさの生産量は作柄と採取時期の天候に大きく左右される。
 平成16年5月12日の日本経済新聞では、気象庁の発表で7月から8月にかけて「黒潮の大蛇行」のおそれが強まったと報道している。
 今年はどんな展開になるのか興味がもたれる。
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01 2004/06/08 徳島県第1回入札会(てんぐさの乾燥の良否)

 今年、最初のてんぐさ入札会が徳島県でおこなわれた。
 数量は昨年の21トンに対し今年は29トンとなったが一昨年の56トンにはおよばなかった。
 今年の梅雨入りは昨年より3〜4日ほど早くなったがここ1週間ほどは予報より天気がよく期待はしていたがさほどの数量増にはならなかった。
 出席商社数は昨年の9社、今年もメンバーが入れ替わったものの同じく9社で朝から品の見付けがはじまった。
 今年は直前に雨がすくなかったので全般には乾燥の良いてんぐさが出品されていたが、そのなかでも組合により乾燥程度の差がみられた。写真でわかるように同じPPクロス袋に同じ15kg梱包であるが一方では口がおおきく空いて紙が一杯になっている。他方ではその口が小さく乾燥の差が袋の口の締まり具合で歴然である。当然乾燥の良いものが後日の目方不足も起こさず、また、製品の歩止まりも良い。この場合はあてはまらないが極度に乾燥の悪いものは半年以上先に寒天製造に使う時に品質劣化をおこす事態があるので注意が必要である。
 11時に札閉めがおこなわれ即開票となった。
 昨年が不作だったので流通段階での品薄を反映して高値予想をしていていたがそのとおりほとんどの品が昨年の20%程高で落札された。
 これから入札予定が東京都、静岡県、和歌山県、三重県、愛媛県、次々と開催される。

乾燥の良い組合の品

乾燥が劣る組合の品

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02 2004/06/17 東京都第1回入札会(伊豆大島の操業者数)

 伊豆七島の第1回てんぐさ入札会が東京、京浜島で開かれた。先週8日に徳島から20%高で始まった今年の価格動向を占う重要な日である。出席者は応札商社が昨年10社から1社増え11社、それに全漁連から1人、来週予定のある静岡県から2人とそれぞれ担当者が来ている。
 数量は昨年の15トンに対し12トンと若干少なめであり、しかも伊豆大島だけで他の島からの出品がゼロである。三宅島は今年で全島避難から5年目になるがいまだ回復の見込みがなく、また八丈島も今のところ皆無という報告が漁連側からなされた。
 結果は昨年比15〜20%高で終了した。思いのほかの高値取引となった。
 入札会終了後に生産者と懇親会がもたれ(写真)各立場から報告がされた。伊豆大島の元町漁協、波浮港漁協から組合役員、生産者が5人ほどきていて歓談した。
 現在、てんぐさ採取の操業者数は元町で15〜16人、波浮、差木地地区で約30人、岡田地区で17〜18人、泉津地区で2人と合計65〜70人ということである。そのうち60歳以上が半数で年齢構成を考えると今後の収穫量は減少やむなしということがいえそうである。が、一方明るい方では、都内から若い20歳台の人が漁業希望で島へ移り住んで来る人もいるとの話もでた。自然相手の仕事は楽しい部分もある。

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03 2004/06/23 静岡県第1回入札会(樽ダンス)

 先週の東京都に続いて静岡県下田市で伊豆半島のてんぐさ入札会が行われた。
 ここは見本品出品入札なので現地の各浜、漁協組合へ出向いて水揚げ量や品質の良否をみて入札に臨む。
 伊豆の代表格の稲取漁協をのぞくと今年は天候が良い割に数量が意外と伸びていない。
 現物の品質は良質であるが倉庫内には今日の出品の20本と次回の20本それに白田組合の20本があるのみである。
 組合で聞くと稲取は船が1パイ、若竹丸のみでその船が稲取、白田、北川の分を採取する。あとの一杯、下谷戸丸が大川と見高の浜の分を操業しているのみである。若竹丸の船主は62〜63歳くらい、同乗の海女さんは65歳くらいである。
 次の下田の須崎へ出向くとここはまずまずの水揚げであった。
 今年の天候の良さで出漁日数が7日から8日、雨続きで泣かされた昨年の3日より増えていた。
 写真は須崎組合大間支所で1枚目は海女さんが採ったてんぐさを乾燥させ組合の担当者に計量してもらっているところ。2枚目は改良したてんぐさを四斗樽にいれ足で踏み込んでいるところである。
 「樽ダンス」といわれている。最近はほとんどが機械圧縮梱包であるが一見ユーモラスにみえる「樽ダンス」をしているところはここの須崎ほか、西伊豆の土肥漁協八木沢地区、小下田地区が有名である。
 入札の結果は昨年比約10%から15%高であった。

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04 2004/06/29 和歌山県第1回入札会(赤草と晒天草)

 和歌山県の第1回入札会が大阪北区の大阪海苔問屋組合でおこなわれた。
 当初の出品数量予想では6トンと思われたが、ここのところが雨が少なく集荷も進んだこともあり、9トンとなった。昨年の今頃は連続の雨天で集荷ができなくて困ったものであるが、今年はまずまずである。
 応札商社は6社と昨年より1社少なかった。太地、津荷、下田原と上品が出ていて品質、乾燥も上々である。和歌山市の加太漁協も出品されていたがここはもう少し数量が期待したいところである。落札価格は今までの流れを引き継ぎ、昨年対比、率にして25%ほど高くなった。
 写真は太地漁協の赤草と晒草の見本である。通常、海から採取したものは赤色の天草であるがそれを水で洗いつつ、天日でさらすと黄色の晒天草になる。この晒天草は春から夏に向けてのところてん用の天草である。
 最近は、家庭で天草から炊いて自家製ところてんを楽しむ人が増えてきている。当社の通信販売のコーナーでも家庭用さらしてんぐさを取り扱っている。

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05 2004/07/02 三重県第1回入札会

 三重県の第1回入札会が松阪市の海苔流通センターで行われた。
 三重県全地域のてんぐさがここに集荷されている。現物が全て揃っているのを見付けできるのはここの他には東京都漁連と徳島県漁連である。その気になれば充分、乾燥具合から袋の奥の中まで点検することができる。写真はその様子をうつしている。
 三重県では大まかに鳥羽地区、志摩地区、紀州地区と別けられるが、昨年から紀州地区(尾鷲市を中心とした地区)の量が増えてきている。扱う商社の立場からいえばある程度数量が揃っていたほうが、例えば5トン、10トンとなっていたほうが都合が良い。その意味でも力をいれて量産している浜のものに目がいきがちである。
 昨年45トンに対し、今年は36トンであった。価格は115%〜120%で推移した。これは最近の安値年であった平成13年に比較して約80%程度のアップになる。
 6月に韓国でもてんぐさの入札会がおこなわれたがこちらも昨年比約13%アップのようである。来週のおおどこの愛媛県は天気が良いのが影響して当初の予想の75トンから増え100トン以上の数量になったとの情報がある。価格の安定が望まれるところである。

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06 2004/07/06 愛媛県第1回入札会

 愛媛県のてんぐさ入札会が松山市郊外の三津浜の愛媛県漁連で行われた。
 好天が続いたので当初予想の75トンから111トンに増えた。これは昨年の86トンを上回り、一昨年の120トンに近づいている。
 これで今までの高値で来ていたのがおさまるものと思われるが、ただ、例年、代表産地で基準となる三崎と日振島が昨年よりすくないのがひっかかるところであった。蓋をあけてみれば懸念していたとおりであった。少ない産地のものをめぐって競争となり昨年の20%以上になった。一昨年の倍になってしまった。
 つられて他のもの高く落札され、終わってみれば一番の高値の入札会となった。

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07 2004/07/07 静岡県第2回入札会

 第2回目入札会がおこなわれた。
 静岡県の場合は6月から10月までの間、7回予定されている。他の県がほぼ2回、東京都で4回〜5回ほどしかないので入札会回数では最高であり、落札できなくて買い損なった場合でも後の入札会で買うことができるのがここの特徴である。
 今回は昨日の愛媛県松山の連続となり、出席商社は5社、FAX応札社が5社、計10社となった。
 下田市漁協須崎地区などは数量があるのに対し、稲取漁協が少ないのでここが注目されるところである。
 当社としてはこれに絞って札をいれる。首尾よく落札でき、これで稲取漁協関係は全て手にいれることができた。
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08 2004/07/08 神奈川県城ヶ島漁協第1回入札会

 3日間、連続となる神奈川県城ヶ島の入札会である。今年、初めてであるので出席する。
 数量は昨年より少し多く、1,300kgほどである。前もってサンプルが送られてきていたが、現物を確認することが重要である。
 写真は、港の干し場での作業である。船で出て、引っかき棒で採取するのが3〜4杯であるとのこと。そのほかに大潮のときは岡から磯へ出てとる、主に女性であるが、何人かいるという話である。
 昨年の高値に刺激され、生産意欲も旺盛で、なおかつ改良も一生懸命にやっていた。ただ、改良熱心さのあまり草の根っこ部分を大きく切ってしまい、せっかくの大振りなてんぐさを、細かくバラバラにしてしまう傾向にある。
 改良方法は、漁協組合の担当者から、大筋のガイドが欲しいとの生産者からの声もあった。たまに買う側の立場から、当社社長が一応のガイドを説明しておく。
 価格は高いなりに昨年並みとなり、ようやく相場も落ち着く方向にむかいそうである。

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09 2004/7/15 東京都第2回入札会

 東京都伊豆諸島の2回目入札会がおこなわれた。伊豆諸島といっても近年ほとんどが伊豆大島であり、ほかに今日は式根島が出品され合計で約14トンである。
 昨年は長雨で集荷できなくて入札会は中止になったが今年は梅雨明けも例年より早く、てんぐさの集荷には好都合となり今回の開催となった。
 消費の方もところてん、かんてんが早目の真夏到来で売れ行きも好調で久しぶりに活気づいてきている。そんな状況が相場にどのように反映されるか、いままで異常な高値水準できていたのでここらで小休止となるか、そんなことを思いつつ、応札業者同士が品物を見付け、値を心づもりしながら話している。その中からヒントを見付け、最終価格を決めていく。
 結果は前回よりやや下回ったところで落ち着きようやく高値更新から逃げることができ始めた。当社としても総量の約7割落札、買い付けできた。
 次回は8月の19日でそれまでにどのような展開になっているか興味がもたれるところである。

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10 2004/07/22 伊豆、八木沢・小下田第1回入札会

 伊豆西海岸の土肥町漁協で八木沢草、小下田草の入札会がおこなわれた。伊豆半島でここの組合だけは静岡県漁連の共販でなく単独で行う。
 ここでの草の特徴は、浜で各生産者が晒しにして出品するところにある。浜ですぐ晒すと黄色に晒されそれでつくったところてんは透明度が高く、ところてんのみならずみつ豆寒天としても粘りと風味があるので珍重される。
 昨年は雨続きのため数量が3トンと少なく小下田だけの示談入札で終えたが、今年は八木沢で17.4トン、小下田で7.6トンと合計25トンになった。
 先回、東京都での相場が頭打ちになったのでその延長にあると考え15%ほど昨年より控えて応札する。
 結果は当社で採り草の出品量の約70%弱、値打ちに落札できた。7月初めの愛媛県の相場や昨年の異常高の相場がやや是正されてきて、一安心といったところである。

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11 2004/7/28 静岡県第3回入札会

 第3回入札会がおこなわれた。翌29日、和歌山県の入札が大阪で開かれるので、今日はFAXでの入札となる。
 昨年はこの時期、天候不良で3回目は中止されている。その点今年は順調に入札会がおこなわれている。
 出席商社5社、FAX入札者6社、計11社であった。価格は前回と同程度もあったが一部安くなる銘柄もあった。

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12 2004/7/29 和歌山県第2回入札会

 大阪で和歌山県の第2回がおこなわれた。いつもこの時期は暑い最中で、見本のてんぐさを並べる漁連の職員も汗びっしょりである。口数がおおく見本の数も増え、隣の通路まで出てきている。
 今回は紀伊半島の東側、東牟婁郡太地町から、串本、潮岬を西へ回って和歌山市加太までのひろい範囲での出品数45品目、19.5トンとなっている。ちなみに昨年は45品目、15.7トンである。
 品数に比べ、応札商社の集まりが少なく6社であり、やや安値ムードが漂う。今までの展開の展開をみてもその傾向があるところへこの様子で幾分ゆったりしたムードである。
 しかし、蓋をあけてみればなんのことはない、昨年より5%ほど高い値がついたものも出た。総体には昨年並みか、やや高い状況で終わった。
 来週は長崎県第1回目と三重県の第2回目が予定されている。

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13 2004/08/03 長崎県第1回入札会

 昨年同様、長崎県の入札会が長崎市で8月早々におこなわれた。
 中心の浜は五島列島の一番南端、福江島、三井楽産が主である。東シナ海に面して九州地区ではここのものがいつも最高値で取引される。
 出席商社は4社、数量は昨年並みの約6トンであった。
 価格は男天は昨年より大幅に高くなったが三井楽の1等品は昨年より安く落札、取引された。
 なお、同じ場に福島町のイギスの5トン出品されたが応札価格が生産者希望価格とかけ離れていて取引に至らなかった。
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14 2004/08/06 三重県第2回入札会

 昨年同様、三重県の紀州地区の増産がきいて約18トンとなった。ちなみに昨年は14トンである。
 紀州地区では一回目の入札会以後、高値に刺激され積極的に採取して増産、結果15トンに対し、従来の先志摩、鳥羽地区は3トンとさびしいものであった。
 紀州地区のてんぐさは初回のものと比較すると石灰質のカキ、青ヌタといわれるドロの付着があり品質下落はいたしかたなく、やはり2番草の顔である。
 出席商社は5社。
 価格は品質落ちを見込んで応札、結果出品中55%程落札することができた。

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15 2004/08/19 東京都第3回入札会

 お盆明けの最初の入札会である。今年の夏は連日の猛暑で、ところてんの売れ行きも好調、天草需要も旺盛であった。しかし、お盆が過ぎると夏ものから一気に秋ものへ嗜好は移行していく。
 今日は数量24トン、これで今年の東京都伊豆諸島の累計は50トンとなった。
 昨年は極端に少なく26トン、一昨年は台風が多く31トンでそれに比較すると多く出品されたことになる。
 これまで天草の売れ行きも好調ではあったが、需要期は過ぎているので今までの極端の高値を是正したいという雰囲気が漂っている。加えて、まくさ黄さらし品が新島を中心に180本出ている。写真参照。
 結果はあらめ黄さらし品はしっかりした価格であったが、まくさ黄さらし品の価格は安く応札された。これは即、不成立となり、次回に持ち越しとなった。

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16 2004/08/25 静岡県第4回入札会

 先週の東京都の一部安く応札された後の入札会であり、その動向が注目されることになった。
 あいにく、26日が徳島の入札会が予定されていたのでそちらに体を持っていくことにして、静岡の方はFAXで対応することにした。事前に見本を見ているのでその点は心配ない。
 出品数量は14トンと昨年と同数であり、前回よりやや低めの価格を想定してFAX入札をして、昼前に徳島へ向け出発する。途中、午後2時半過ぎにバスの車中で結果を携帯で受ける。意外に当社の予想より高く、落札品目は1品のみであった。
 徳島県漁連に着いてからFAXで全品目の結果を見ると、そこそこの価格で各商社が値付けしていた。

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17 2004/08/26 徳島県第2回入札会

 昨日の静岡県を経て、今日は徳島県の最終会入札である。
 数量は22トン、昨年の15トンより多く出品されている。しかし、四国は今年台風のあたり年で全般に暑くはあったが天気の悪い日もあり、てんぐさ乾燥具合の良否がでていた。
 今回はてごろな木の棒があったので、それをてんぐさの袋の横に当てて袋の長さを比べてみる。
 写真の二つとも重量は15kgの品であるが、大小の違いがはっきりわかる。
 価格は、上物は二番草で品質が一番草より落ちるので下げて妥当と思われ、その通りの結果であった。が、下物については二番草にもかかわらず、前回の一番草より高い結果となった。
 最終ともなると、いままで買い遅れていた人がこれが最後とばかり札をいれてくるので、こういう様子はままあることである。
 明日の高知があるので、徳島駅発13時6分の徳島線阿波池田行きの列車にのる。仲間の商社2人と全漁連の1人と、4人でしばし席を同じくする。

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18 2004/08/27 高知県漁連第1回入札会

 高知県の第1回の入札会である。
 昨日、JR高知駅に降り立つと、待ち構えているようにどかっと暑さが体にまとわりついてきた。さすが南国土佐である。
 昨年5.5トン、今年は6.4トンと多少は増えたものの、数年前の20〜30トンあったことを思えば少ない量である。ここは初回でもあり、草は春草で品質は落ちていない。
 応札商社数は昨年と同様、6社である。各商社、得意な草がありその荷物はそれぞれに行き渡った。
 価格は昨年を基準にやや高く取引された。当社も全量のうち約60%強、買うことができた。

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19 2004/08/31 城ヶ島漁協第2回入札会

 8月30日に九州に上陸した台風16号が、31日午前には東北地方日本海上を北上していた。
 城ヶ島は神奈川県三浦半島ではあるが、ここにもおおきな波が押し寄せてきていて、防波堤にぶちあたっていた。いつもなら港のスロープにてんぐさを干しているのだが、今日は避難の船が所せましとあげてあった。
 入札前に組合の担当の人から「4〜5日前から台風16号の影響で海がしけていて、てんぐさ漁にはでていない」との話がある。
 一般に、新聞の天気図で、右下に台風の渦巻き絵が書かれるとうねりがきて、てんぐさの操業に影響がでる。16号のあとにすぐ18号が見えている。
 入札の結果は、品物はまだ充分良いわりに値段は落ち着いたところで、買い付けることができた。

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20 2004/09/10 愛媛県第2回入札会

 全漁連との共販入札は今日の愛媛で最終となる。愛媛県では2回目で、昨年の12トンに比べ今年は19トン弱と、やや多目になった。今日の出席者は当社を含め5社である。
 例年2回目は欠席するのだが、今回は晒し品が1200kgほど出品されるので出席する。写真、左側奥に見える。
 さらしてんぐさは、そのままところてん製造業者へいくのもあり、また各地のお土産屋さん、都市のデパートの物産展でさらしてんぐさとして販売されたりするのもある。用途が違うと、好まれるさらしてんぐさも違ってくる。
 当社では、さらしてんぐさ販売品としての需要がネット販売も含め多くあり、伊豆産以外にここの愛媛産のものもそれにあてている。
 てんぐさから直接作ったみつ豆ところてんは、最近、人気が高く注目されている。
 1200kgほどの内、それにかなうものは600kgほどであったが、それを含め1000kgほど買い付けた。
 漁連の担当の人にも用途向きを話し、それに見合うようなものを生産するように浜の生産者に説明してもらい、かなり良くなってきている。今後もさらに期待したいところである。
 そのほかの天草については最終品としてまずまずの値段が付いた。あとは伊豆半島、伊豆諸島の分を残すのみとなった。

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21 2004/09/16 東京都第4回入札会

 前回、価格面で折り合いがつかず不調になった新島の103本、同じく新島、若郷地区の20本が再入札にかけられた。今回はこれを含め317本9,500kgである。
 あと1回入札が予定されているが、今日でも閑散としている様子が写真でもわかる。今日の分で、不作といわれた昨年分の数量を超えて55トン強となった。
 応札の結果、不調に終わった新島晒品は、今回、前回値を上まわってそれぞれ落札された。東京都最終回は10月21日である。

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22 2004/09/21 伊豆八木沢・小下田第2回入札会

 先週の東京に続いて晒てんぐさが主となる土肥漁協八木沢地区の入札である。今回もほぼ第1回と同様約20トン、これで今年の土肥漁協分は45トンとなった。昨年は13トンであった。
 採り草と、寄り草が出ていて八木沢分は全部晒品である。先週の東京の晒価格が出ているのでそれを参考にする。予想どおりの結果になり、いいものを値打ちに買い付けることができた。
 明日は下田で伊豆半島の第6回(第5回は中止)の入札である。品数が多いので、久しぶりに浜の様子を見にいくことにする。

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23 2004/09/22 静岡県第6回入札会(第5回は中止)

 下田からタクシーで須崎支所へ出向く。上場数では下田漁協の須崎支所のものが一番多くなっているので、ここの大間地区と爪木地区の今日の入札品を中心に見る。
 大間地区では、実際に潜水して採る場所を写真におさめた。写真の堤防の先、島の左側に、水深平均5mほどの中間「ナカマ」とよばれている場所がある。ここで毎年春4月に、坪刈りといって一定面積の収量を調べ、作柄予想をする。(須崎、森所長談)
 続いて爪木地区にまわり、作業中のところ、倉庫内のてんぐさの様子をみる。最終回にも出品物があり、その改良方法の打ち合わせを聞く。比較的良いものが出てくる予想である。
 午後1時半より入札開始。結果は一部安くなるものもあったが総じてしっかりした相場がついた。伊豆の最終回は10月13日予定である。

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24 2004/10/13 静岡県第7回入札会

 静岡県、今年の最後の入札会である。最終回ということもあって、一部組合、最後まで数量を把握するに苦労していた。
 須崎組合が一番の量になって、総数量で約6トンとなった。最初からの合計は、昨年の47トンに対し49トンとほぼ同数になったが、仁科浜分は共販入札の荷造りが間にあわず、今年の場合少ししか出品されなかった。
 同じ西海岸で土肥漁協、八木沢地区、小下田地区が昨年より大幅に増えていることから、荷造り作業さえ順調にいけば仁科浜分はこれから単協入札などそれなりの量がでてくると思われる。そのことを考えれば静岡県の総量では昨年より増産されたと思われる。

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25 2004/10/22 東京都第5回入札会

 東京都の最後の入札会が台風23号のため、1日延びて今日開催された。今年は台風の発生、および上陸が例年にくらべ非常に多く、特に昨日の23号は平成に入って最悪の被害をもたらした。
 平成2年には、11月30日に上陸した台風が上陸日の遅い日の記録を作ったのであるが、翌年のテングサの生育量に大きく影響して、減産になったことが思い出される。今年の異常な数の台風が来年に影響するようでなければいいのだが、心配な点である。
 ところで入札最後というものの、天晒には新島、式根島(写真参照)を中心としていいものが出品され、それなりの価格でそれぞれ落札された。
 最終になってくると各商社の対応も、もう買い終えたところ、まだ買い足りないところと差がでてくる。最後までしっかり見て札をいれることが大切である。
 なお、都漁連の担当の人より、来年2月には三宅島の帰島も始まり、春からてんぐさ漁も再開予定であることも報告された。
 また、同日、神奈川県の城ヶ島組合も最終回入札があり、これで本年各地の予定されていた入札会は全て終了した。残すは仁科浜漁協のみである。

新島

式根島

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26 2004/10/26 平成16年 まとめ

 全国のてんぐさ入札(生産)量

平成16年は入札数量、平成15年以前は生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成16年 平成15年 平成14年 平成13年 平成12年
東京都 70 72 67 78 95
静岡県 94 106 202 176 159
三重県 54 65 27 44 51
和歌山県 29 27 27 36 48
徳島県 51 36 71 146 98
愛媛県 130 99 132 128 138
高知県 6 6 5 29 32
長崎県 6 19 18 28 21
上記産地計 440 430 549 665 642
全国生産量 集計中 537 658 767 789

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2004/10/26

 平成16年のてんぐさ入札会も、県漁連単位では10月22日の東京都の第5回入札会をもって終了した。
 今年は台風発生が10月26日までに24個と多く、しかも上陸したのは過去最多の10個となった。平年の台風発生数は年間26.7個、上陸数は2.6個というから今年の多さが目立った。が、てんぐさの漁期の天候からいえば、早めの梅雨明けもあり良い方であった。
 各地入札会の数量は、雨続きで不漁だった昨年を上回るところが多かった。また、例年のごとく西伊豆の仁科浜は11月以降も集荷される見込みで、静岡県の数量増が期待される。
 価格面では昨年の不作が影響して、当初は昨年高値を上回って取引された。さらに夏の酷暑で需要も伸び、この面でも活気づいた。需要期の夏過ぎにはようやく高値相場も落ち着き、終了した。
 来年は、東京都三宅島も平成12年以来5年ぶりの生産が期待されている。外国産の輸入量も増えているが国産てんぐさの良さを各方面で認識して供給、需要を増やしていきたいものである。
 全国生産量の最終集計は平成17年春に報告できる予定である。
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