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てんぐさ入札会報告
毎年6月から10月にわたって行われるてんぐさ入札会の報告です。
てんぐさ入札会報告 平成31年 令和元年(2019)
00 2019/03/18 平成30年度てんぐさ概況
01 2019/02/14 静岡県第1回入札会
02 2019/04/11 静岡県第2回入札会
03 2019/06/20 東京都第1回入札会
04 2019/06/25 徳島県入札会
05 2019/07/05 愛媛県第1回入札会
06 2019/07/11 静岡県県第4回入札会
07 2019/07/25 三重県県第1回入札会
08 2019/08/08 城ヶ島第1回入札会
09 2019/08/22 和歌山県第1回入札会
10 2019/08/30 三重県第2回入札会
11 2019/09/04 徳島県第2回入札会
12 2019/09/05 高知県入札会
13 2019/09/06 愛媛県第2回入札会
14 2019/09/12 静岡県第6回入札会
15 2019/10/10 静岡県第7回入札会
16 2019/10/16 城ヶ島第2回入札会
17 2019/11/07 静岡県第8回入札会
18 2019/11/14 東京都第2回入札会
19 2019/12/16  令和元年(平成31.1〜令和元.12)てんぐさ概況 

00 平成30年度(平成30年1月〜平成30年12月)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、平成29年までの年別てんぐさ生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成30年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年 平成25年 平成24年
東京都 34 42 35 44 52 53 63
静岡県 69 90 110 111 106 117 115
三重県 8 11 11 8 8 16 15
和歌山県 16 14 12 9 12 14 14
徳島県 36 31 36 26 45 32 37
愛媛県 114 135 118 149 160 146 80
高知県 13 9 16 11 29 40 18
長崎県 4 6 13 20 13 23 21
上記産地計 294 338 351 378 425 441 369
全国生産量 411 471 563 486 510 559 481

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ h31(2019)/3/18

 平成30年の全国の生産数量は入札数量と入札外数量で推定411トンになった。平成29年は471トンだったので 87.2%にしかならなかった。これはここ5年間平均518トンを大幅に下回る最低数量であった。
 減産により価格は平成29年の120%から130%になり、平成28年に比較して150%から170%近くに高騰した。
 一方海外の輸入では財務省貿易統計によると韓国産は平成29年の高価格(対前年比147.5%)から更に上乗せ価格で入荷した。平成29年一年間で535トン、価格は1129//kg(CIF価格保険料、運賃含み)のところが平成30年は271トン、@1387/kgとなっている。価格高が輸入数量を抑えている状態である。この価格は国内産の価格に近くなってきている。
 また、最大輸入国であるモロッコからは平成29年519トン@625/kgが平成30年では681トン@648/kgと増加している。
 今年の天草状況は九州方面、大分蒲江入札では昨年4月25日4900kgが今年4月22日5818kgと多く、また兵庫県淡路島も昨年6月入札が今年は5月にも開催される模様で集荷量は多い気配である。また、昨年、一昨年と不作の千葉県でも今年は春先から集荷が進んでいる。
 一方、国内の天然寒天製造は平成30年2月半ばに、以後冷えなくなると予報され業者は製造を2日〜3日短縮したため、繰り越し天草在庫は例年より多くなった。  
 今後の天候による収穫量次第であるが今年の天草価格は昨年を上回ることはないと予想される。

(報告/社長 森田庄次)

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01 2019/02/14 静岡県第1回入札会

 静岡県第1回入札会が例年通り2月中旬に開催された(2月14日)。出品量は7,200kgで昨年第1回と比較して83%と減少、2015年〜2019年の5年間でも最も少なかった(2015年11,800kg、2016年17,225kg、2017年15,950kg、2018年8,650kg)。ただ、出品されるテングサは昨年採取されたテングサであり、落札価格の傾向を確認することはできるが、今年の生産量の傾向とは別である。
 今回出品されたテングサは仁科、小下田、安良里。サンプルで確認したところ、従来通りのテングサ様相であった。落札価格について、昨年は値下がりせず、回を重ねる毎に値上がりしていったが、今年の第1回出品量も少ないことから少々不安なところである。
 実際、落札価格は昨年の入札会の終値を参考に若干上乗せした価格であった。特に仁科浜は昨年同様、かなりの高値で落札された。テングサ入札会の落札価格傾向は次の静岡県入札会(4月11日)と徳島県(6月予定)で凡そ把握できるが、方向性は垣間見られた。

(報告/常務 森田尚宏)

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01 2019/04/11 静岡県第2回入札会

 静岡県第2回入札会が例年通り4月上旬に開催された(4月11日)。出品量は13,225kgで昨年第2回と比較して168%と増産した。累積出品量は20,425kgとなり、昨年と比較して123%と増産した。しかし2015年〜2019年の5年間での累積出品量で比較するとやはり減少傾向といえた(2015年36,275kg、2016年37,900kg、2017年29,525kg、2018年16,540kg)。
 本入札会では仁科と田子、八木沢が出品された。仁科ではマンガで採取されたテングサも出品されており、サンプルのみの確認となるが若干異物が多いようであった。マンガは底引きで一気にとる為、異物混入も仕方ないと思われる。田子に関しては出品量が少ないが、赤青の等級でも良質であった。八木沢に関しては昨年よりも若干カキの付着が多い等級が見られた。
 本入札会では昨年よりも出品量が若干増加した為、落札値が若干下がることを期待したが、昨年の落札価格を参考に若干上乗せされた価格であった。特に仁科浜に関しては第1回入札会の価格を参考に上乗せされた価格で落札されており、高騰していた。高値でも伊豆ブランドが強いことを改めて感じさせられた。

(報告/常務 森田尚宏)

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03 2019/06/20 東京都第1回入札会

 2019年東京都第1回テングサ入札会が昨年と同時期の6月後半に開催された。5月に開催予定であった入札会は昨年同様に延期、やはり5月時点での集荷状況はあまり良くないようである。出品量は13,104kgと昨年の第1回と比較して9%減産である(2018年第1回 14,263kg)。内訳は天赤200本、天赤荒150本、残りは荒混や天晒等である。
 テングサ自体はいつも通りの様相で、アオやカキは少なかった。この為、アオ混と記載されていても、十分赤売が可能なテングサもあった。また同じ大島の中でも外洋側と内海側では様相が異なり、外洋側は太目、内海側は細めであった。各産地の特徴をよく理解すれば、応用が効くテングサが多いと感じた。
 今回の東京都テングサ入札会の前に、今年の入札会を左右する大きな要因を把握しておく必要がある。それは6月に開催予定であった静岡県テングサ入札会が、開催されなかったことである。静岡県テングサ入札会で出品されるテングサは伊豆半島産テングサである。この為、開催されなかったことは、そのまま伊豆半島産テングサの収穫量が少ないことになり(※)、伊豆産テングサの確保が問題となってくるのである。
 令制国に基づく伊豆国には伊豆半島と伊豆諸島が含まれる。東京都テングサ入札会で出品されるテングサは伊豆諸島産である為、この点で今回の東京都産テングサは注目が集まり、入札は競争激化が予想された。
 また次に控える徳島県入札会で出品されるテングサは伊豆産テングサの食感と似ており、産地に拘らなければ、徳島県産テングサにも注目が集まり、競争激化が予想される。更に昨年大減産であった千葉産テングサは増産しており、食感は異なるが安価ということが強みの為、価格変更に路線変更する場合は千葉産テングサへの移行が考えられる。
 このように、今回は様々な要因が重なった非常に難しい入札であった。市場の動向をよく考慮せねばならず、各業者ともかなり入札価格について頭を悩ましていた。
 入札業者は8社。先にも述べた通り、今回の入札は各社非常に頭を悩ませていた。各産地の出品量は数量が多い為、何口かに分けて入札ができる為、一発勝負までとはいかないが、それでも入札時や開票時はかなりの緊張感に包まれた。結局、昨年の第1回テングサ落札価格を参考に少し高めの落札価格となった(第1回より第2回の落札価格の方が高かった。今回はその間位)。今回の入札結果は、今後の入札会に少なからず影響を与えた結果といえた。

※例年8回開催予定の内、1回が開催されなかったのみで、伊豆半島産テングサが全くないということにはならない。

(報告/常務 森田尚宏)

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04 2019/06/25 徳島県入札会

 2019年徳島県第1回テングサ入札会が昨年よりも2週間程度遅れた6月後半に行われた。出品量は21,866kgと昨年第一回入札会よりも35%増産となった(2018年は6月12日開催、16,117kg)。最も多い地区では8,000kgで1地区ではなかなかの量である。他の地区でも2,000kg〜3,000kgとなかなか多い。
 出品されるテングサを見ると、全体的に若干カキやアオの付着が見られたが、全体的に綺麗であった。ただし、一部は枯葉等の異物が多い物もあった為、注意が必要であった。徳島県テングサは外洋系のテングサから内海系のテングサまで揃っている。トコロテン用のみでなく、寒天用まで使用可能であることは大きな強みである。
 先の東京都テングサ入札会報告でも記載したが、徳島県産テングサは粘りと硬さのバランスが良く、上物は伊豆産テングサの性質に似ている。今年は伊豆産テングサの収穫量が現段階で不確定であり、確保できるかの懸念がある。この為、東京都テングサ入札会に引き続き、徳島県テングサ入札会でも上物の競争激化が予想された。また、千葉県産テングサは食感が異なるが、安価の為、価格変更に路線変更をする場合は千葉県産テングサへの移行も考えられる。
 東京都テングサ入札会に引き続き、この徳島県テングサ入札会が今年のテングサ価格の方向を決めることにもなる為、今回の徳島県テングサ入札会もかなり頭を悩ませることとなった。
 入札業者は7社。先にも述べた通り、各社かなり入札価格に頭を悩ましており、弊社も最後の最後まで方向性を検討し続けた。開票時もかなり緊張した。結果として、昨年の第二回入札会の価格を参考にした価格で落札された。おおよそ想定した価格であるが、まだ価格安定とまではいかず、高値のままである。来週は愛媛県入札会であるが、昨年よりも減産とのこと。こちらでも競争激化となるかもしれないが、なんとか価格安定させていきたい。

(報告/常務 森田尚宏)

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05 2019/07/05 愛媛県第1回入札会

 愛媛県第1回入札会が昨年と同時期の7月上旬に開催された。出品は82,966kgと昨年の第1回入札会よりも10%減産となった(2018年は7月6日;91,925kg)。ただし、愛媛県全域で減産ではなく、例年大口出品される産地のテングサが減産しており、このことが大きく影響している。この産地は元々人気が高い為、入札会場入りする前から競争激化すると予想されていた。
 現物を確認すると、全体的に湿ってはいたものの、上物は異物やカキが少なく、綺麗な印象であった。一方で、寄草やフケ草等の下物はカキや異物が多く、小石も入っていたサンプルもあった。少ないながらも採って頂いたことは非常に有難いことではある。しかし、異物除去にはもう少し気を配って頂けたらと思う。今後その印象がついてしまうと採取業者にも良くない。晒草に関しては少し晒過ぎている印象であった。
 入札業者は10社。本入札会で注目されるのはやはり大口出品される産地のテングサである。参考となる落札価格は前年度落札価格と先週実施された徳島県入札会の落札価格である。ただし、今年は千葉県産テングサが多く採取されており、グレードとしては千葉県産テングサに近い為(※)、割合安定するのではと予想された。実際、開票してみると、価格は昨年並みということで、やはり安定していると判断された。しかし、やはり減産した産地のテングサは競争激化した為、かなり高値となった。今後は需要を良く考慮しながらの入札となっていくであろう。次回は静岡県入札会である。

※愛媛県テングサと千葉県テングサはグレードとしては同程度であるが、出来上がるトコロテンの触感が異なる為、愛媛県テングサの代用として千葉県テングサをそのまま使用することは注意が必要である。

(報告/常務 森田尚宏)

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06 2019/07/11 静岡県県第4回入札会

 静岡県第4回入札会が昨年と同時期の7月上旬に開催された(7月11日)。出品量は4,975kgと昨年と同時期の入札会よりも24%増産となった(2018年は7月12日;4,025kg)。第1回〜第4回迄の累積出品量は25,300kgと昨年と略同量である(2018年第1回〜第4回迄の累積入札量=25,490kg)。しかし第1回〜第2回では前年度繰越分のテングサが出品されており、今年度収穫されたテングサでみると4,975kgとなり(第3回:0kg+第4回:4,975kg)、昨年度と比較して45%の減産である(2018年第3回出品量+第4回出品量:8,950kg)。今回、現地視察はしていない為、各産地のテングサの様相は割愛させて頂くが、凡そ例年通りとのことであった。
 入札業者は8社。内、5社がFAX入札。出品される産地は須崎/仁科/田子/小下田であり、仁科の今後の出品量は不確定の為、落札価格は前回価格を参考にした高額になると予想された。一方で須崎は今後割合多く出品されるとのことで、若干安定した価格になるのではと期待した。実際開票されてみると、落札価格は前回価格を参考にした高額であった。やはり伊豆の需要は高く、また収穫量が少ないことが影響していると思われた。来週予定されていた東京都入札会は収穫量が少なく延期、次の入札会は三重県入札会である。

(報告/常務 森田尚宏)

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07 2019/07/25 三重県県第1回入札会

 三重県第1回入札会が昨年より1週間遅れの7月下旬に開催された(7月25日)。出品量は2,508kgと昨年の入札会よりも50%減産(2018年7月17日;5,046kg)、2012年〜2019年の間でも最も少ない出品量である。伊豆半島、伊豆大島、房総半島の生産量の変化は恐らく黒潮の影響を受けていると考えられるが、三重県の生産量も黒潮の影響を受けるのであろうか。一度、検討したいところである。
 テングサのサンプルを確認すると、カキは少ないが全体的に例年より若干細いように感じた。生産者の減少もあるかもしれないが、元々の海中での生育量が少ないのであろうか。三重県はリアス式海岸という複雑な地形をもっている為か、粘りと硬さのバランスが良い産地がある。好んで使用するお客様もみえる為、出品量が激減していることは残念なことである。
 入札業者は8社。例年では三重県漁連様で1品毎入札する為、即座の判断が必要となるが、今回は出品量が少なくFAX入札となった。7月上旬に開催された愛媛県入札会では若干価格が落ち着き始めた為、三重県入札会でもその傾向が見られるかと期待した。しかし、実際開票されるとかなりの高値で落札されており、驚いた。県内での需要が高い為、少量の出品量でも高値となったのであろう。三重県のテングサは地産地消といった傾向が強いのであろう。次回は静岡県第5回入札会の予定である

(報告/常務 森田尚宏)

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08 2019/08/08 城ヶ島第1回入札会

 城ヶ島第1回入札会が昨年より1ヶ月遅れの8月上旬に開催された(8月8日)。出品量は2,465kgと昨年の第1回入札会よりも216%増産した(2018年7月19日;780kg)。ただし2016年第1回出品量は2,149kg、2017年第1回出品量は2,360kgであったから、必ずしも増産したとは言い難い。
 テングサの様相をサンプルで確認したところ、例年よりは若干細い感があった。良く生育しているのであれば太くなる為、やはり生育が良く増産しているとは一概には言えない。しかし、カキの付着や異物混入はなく、綺麗で上質なテングサであった。
 入札業者は5社。今回、弊社は入札会場には伺わず、FAX入札させて頂いた。落札価格は、これまでの入札結果の流れを受け、昨年よりも若干高かったが、想定していた程は高騰しなかった。今後の入札会もこのような感じで推移していくことを願った。

(報告/常務 森田尚宏)

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09 2019/08/22 和歌山県第1回入札会

 和歌山県入札会が昨年と同時期の8月後半に開催された(8月22日)。出品量は18,872kgと昨年の第1回入札会よりも19%増産した(2018年8月21日;15,863kg)。産地別でみると加太地区が+4,000kgの増産、白浜地区が1,000kgの減産であった。加太地区の増産は採取業者が増えた為であり、白浜地区の減産は台風で磯が荒れた為とのことであった。過去4年での出品量をみると、2015年9,116.9kg、2016年11,558kg、2017年13,790kg、2018年15,863kgと年々増産している。全国的に減産している中での増産は非常に有難いことである。
 テングサの様相を確認してみると、例年よりカキが多く付着しており、特に南部の外洋に面した地区に多い印象であった。近隣の徳島県で7月に出品されたテングサにはカキが少なかったこととは対照的であった。徳島県は9月にもテングサを出品する為、そのテングサでもカキが少なければ、採取時期よりも黒潮の変化が影響を与えたかもしれない。和歌山県は寒天の強度を高めるサルクサというテングサも出品される。今年はそのサルクサも多い印象であったが、こちらも例年よりも多くカキが付着している印象であった。
 入札業者は7社、内、新規入札業者1社。今回、加太地区は出品量の多かった為、入札業者との話し合いで110本の切り札となった。晒草に関しては今後、出品量が多い場合は別途入札可ということとなった。先にも述べた通り、例年よりもカキやドラクサの混入率が多かった為、落札価格は事前に予想していた価格よりも下げとなった。
 入札後は加太地区の産地視察をさせて頂いた。良く乾燥させている為、25kg分のテングサを圧縮しているが体積は割合大きく、2ケ所ある倉庫が一杯となっていた。今後の保管について検討したいとのこと。テングサを乾燥させる場所は広く、一度に多くのテングサを乾燥可能と思われた。採取場所は友ケ島周囲で、雨が降った直後であるが海水は綺麗であった。増産可能な好条件がそろっていることは良いことである。
 今後は長崎県(8月28日;1,500kg〜2,000kg)、徳島県(9月4日;10,000kg〜15,000kg)、高知県(9月5日;8,000kg〜10,000kg)、愛媛県(9月6日;20,000kg〜25,000kg)と続き、全漁連主催の入札会は終了予定である。

(報告/常務 森田尚宏)

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10 2019/08/30 三重県第2回入札会

 三重県入札会が昨年と同時期の8月下旬に開催された(2019年8月30日)。出品量は1,167kgと昨年の同時期の入札会と比較して64%減産した(2018年8月27日 3,210kg)。年間累計出品量では3,675kgとなり、昨年累計と比較して55%減産した(2018年累計8,256kg)。過去5年でも最も少ない出品量であるが、三重県産テングサを希望する業者もあり、今後不安が残るところである(2014年7,907kg。2015年8,167kg。2016年10,797kg。2017年11,023kg。2018年8,256kg)。
 テングサの様相は送付して頂いたサンプルのみでの判断であるが、全体的にカキの付着は少なかった。ただ等級が落ちてくるとカキの付着は増える印象であった。晒に関しては若干くすんでいたが、黄晒は小売りに使用する場合もある為、綺麗な黄晒となると良いかと思う。
 前回に引き続き、出品量が少なかった為、入札はFAXとなった。相場は徐々に下げ傾向になっており、実際に落札価格は第1回より若干下げとなった。大幅な下げとも期待したが、そこまでには至らなかった。来週は入札会後半の山場となる徳島県、高知県、愛媛県の入札会が3日連続で実施される。

(報告/常務 森田尚宏)

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11 2019/09/04 徳島県第2回入札会

 徳島県第2回入札会が昨年度同時期の9月上旬に開催された(2019年9月4日)。本入札会を皮切りに後半入札会の山場となる四国入札会(徳島県、高知県、愛媛県)が開催される。
 出品量は12,446.1kgと昨年の同時期と比較して37%減産した(2018年9月7日19,900kg)。年間累計出品量では34312.1kgとなり、昨年累計と比較して5%減産した(2018年累計36,017kg)。過去5年では平均的な出品量といったところであろうか(2014年44,570kg。2015年25,668kg。2016年36,110kg。2017年30,486kg。2018年36,017kg)。
 本入札会で出品されたテングサは全体的にカキの付着が多い印象であった。例年、第2回入札会で出品されるテングサは夏期に生育した夏草が主体となる。この為、第1回入札会よりも様相は落ちるが、今年は特にその傾向があった。和歌山県入札会で出品されたテングサにもかなりカキが付着していた為、徳島県、和歌山県地域で今年生育した夏草にはカキが多く付着するのではと考えられた(和歌山県入札会で出品されたテングサも夏草が多い)。
 入札業者は7社。上記のようにカキの付着が多く、相場も下げ気味の為、落札価格は大幅に下がると予想した。しかし、実際は予想程は下がることはなかった。やはり伊豆が減産している為、上物のテングサは少なく、まだ各社確保が必要かと思われた。明日は高知県入札会である。

(報告/常務 森田尚宏)

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12 2019/09/05 高知県入札会

 高知県入札会が昨年と同時期の9月上旬に開催された(2019年9月5日)。出品量は7607.9kgと昨年の同時期と比較して31%減産した(2018年9月6日10,987kg)。過去5年でも最も少ない出品量となった(2014年20,514kg。2015年7,729kg。2016年12,683kg。2017年8,975kg。2018年10,987kg)。
 本入札会で出品されたテングサには全体的にカキの付着が少なかった。採集時期を確認したところ、春から採集しているとのこと。やはり夏草(夏期生育したテングサ)が少ない為、カキの付着が少なくなったと思われた。また等級は異なっていても、様相は略同等で綺麗なテングサが多い印象であった。晒も綺麗に晒されているものが多かった。
 入札業者は7社。各社、前日の徳島県入札会の価格を参考にした為、落札価格は然程下がることはなかった。明日は四国入札会の最終回である愛媛県入札会である。

(報告/常務 森田尚宏)

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13 2019/09/06 愛媛県第2回入札会

 愛媛県第2回入札会が例年通り9月上旬に開催された(2019年9月6日。昨年は西日本豪雨の為、第2回は10月開催)。本入札会で四国入札会は終了、また全漁連主催の入札会も終了である。
 出品量は20,507kgと昨年の同時期と比較して8%減産した(2018年10月23日22,407kg)。年間累計出品量では103,473kgとなり、昨年累計と比較して9%減産した(2018年累計114,332kg)。過去5年でも最も少ない出品量となった(2014年160,075kg、2015年148,834kg、2016年118,364kg、2017年134,039kg、2018年114,332kg)。
 本入札会で出品されたテングサは全体的にカキの付着が多い印象であった。例年、第2回入札会で出品されるテングサは夏期に生育した夏草が主体となる為、第1回入札会よりも様相は落ちる。また、雨当やサルクサの含有量が高い産地もあり、やはり全体的に様相は落ちていると言わざるを得なかった。ただし、相応の価格で落札できれば相応に使用可能の為、問題ない。
 入札業者は8社。前日入りした業者が多かった為、前日に見付け略終了、出品する品種も少ないこともあり、入札会当日の各社見付けは早めに終了した。上記のようにカキの付着が多かったこともあり、平均的に下げの傾向となった。本入札会で全漁連主催の入札会は終了、落札価格も終盤になって少しつづ落ち着いてきたと思われた。残す入札会は伊豆入札会と東京入札会のみである。

(報告/常務 森田尚宏)

松山空港にて

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14 2019/09/12 静岡県第6回入札会

 静岡県第6回入札会が例年通り9月中旬に開催された(2019年9月12日;第5回入札会は集荷量が少なく中止)。出品量は4,881kgと昨年の同時期と比較して52%減産した(2018年9月13日10,148kg)。
 また、この時期迄の累計出品量は30,281kgで、昨年の同時期迄の累計出品量と比較して16%減産した(2018年累計35,638kg)。この数字のみでは大減産には見えないが、第1回入札会と第2回入札会で出品されたテングサは昨年採取されたテングサである。2019年に採取されたテングサは第3回入札会〜第6回入札会であり、第3回入札会〜第6回入札会迄の累計出品量で比較すると今年(2019年)は9,856kgとなり、昨年と比較して49%減産となる(第3回入札会〜第6回入札会迄の累計出品量=19,098kg)。残念ながら、大幅な減産と言わざるを得ない。
 いつも通り、前日入りして各産地でテングサを確認する。凡そ例年通りの様相であったが、等級が青となっていても然程アオは付着していなかったり、寄草となっていてもかなり綺麗なものがあったりと良質な印象であった。次回以降出品予定のテングサも倉庫に保管されていた為、確認させて頂いたが、改良前であった為かカキの付着が多い産地があった。やはり他地域と同じくカキは多く付着する傾向であり、改良して頂いているからこそ綺麗であると感じた。
 入札業者は7社。全国的には価格が落ち着き始めているが、前述の通り大減産である為、本入札会で安値は期待できなかった。実際、落札値はかなり高値維持のままであった。次回入札会は10月10日の伊豆入札会である(10月19日開催予定の東京都入札会は集荷量が少なく延期)。

(報告/常務 森田尚宏)

須崎

須崎・改良の様子

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15 2019/10/10 静岡県第7回入札会

 静岡県第7回入札会が例年通り10月中旬に開催された(10月10日)。出品量は8,494kgと昨年の同時期と比較して58%減産した(2018年10月11日;20,279kg)。この時期迄の累計出品量は38,775kgと昨年の同時期迄の累計出品量と比較して31%減産した(2018年累計55,917kg)。ただし、この累計には第1回入札会と第2回入札会に出品されたテングサが含まれており、これらは昨年(2018年)採取されたテングサである。今年(2019年)採取されたテングサは第3回入札会からとなり、第3回入札会からの累計出品量で比較すると54%減産している2018年:39,377kg→2019年:18,350kg)。残念ながら大減産と言わざるを得ない。
 今回出品されるテングサの内、ある産地のテングサは寄草でも十分選別されて綺麗であった。青草と等級がついたテングサでも晒せば十分使用できるものであった。格外と等級がついたテングサはカキが多く不着していたが、これまで出品されていた格外品よりもテングサの長さが長く、格外としては良品であった。様相の価格で落札できれば価値のあるものであった。 別の産地のテングサの様相も全体的に良く、ドラクサの混合具合は全体的に割合少ないように感じた。黄晒と等級がついたテングサは綺麗な黄晒であったが、青晒と等級がついたテングサは青晒というよりは黄晒に近く、うっすら青い程度であった。もちろん使用可能であるが、色については良く把握しておく必要がある。
 入札業者は7社。内、FAX入札は2社であった。落札値は高騰を続けるかと思われたが、徐々に落ち着き始めたようであった。特に東伊豆でその傾向があった。ただし、必要なテングサはそれなりの価格で入札しなければ、依然として落札できない状態である。静岡県入札会は残り1回実施予定(11月7日予定)だが、出品量や落札値の傾向は変わらないと考えられる。

(報告/常務 森田尚宏)

出品されるテングサ(須崎)

出品されるテングサ(八木沢)

須崎@
外洋に面している為、強い波が発生。
強い波が太いテングサを育てる(今回は台風が近い為、より波が高い)

須崎A

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10 2019/10/16 城ヶ島第2回入札会

 城ヶ島第2回入札会が昨年より1ヶ月早い10月中旬に開催された(10月16日)。出品量は1,258kgと昨年の第1回入札会よりも160%増産した(2018年11月16日;785.3kg)。年間累計出品量は3,724kgとなり、昨年の年間累計出品量と比較して138%の増産である(2018年・年間累計出品量=1593.3kg)。絶対的な出品量は大きく異なるが、減産している静岡県入札会や東京都入札会とは対照的である。個人的な感想であるが、城ヶ島の出品量と静岡県/東京都の出品量は相反しているように感じる。ただし2016年・年間累計出品量は4,357kg、2017年・年間累計出品量は4,739kgであったから、必ずしも増産したとは言い難い。
 テングサの様相をサンプルで確認したところ、例年通りの様相で、割合太く綺麗であった。
 入札業者は5社。前回同様、今回も弊社は入札会場には伺わず、FAX入札させて頂いた。落札価格は、これまでの入札結果の流れを受け、昨年よりも若干高かったが、想定していた程は高騰しなかった。

(報告/常務 森田尚宏)

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17 2019/11/07 静岡県第8回入札会

 静岡県第8回入札会が例年通り11月上旬に開催された(11月7日)。出品量は6,731kgと昨年の同時期と比較して22%減産した(2018年11月8日;8,607kg)。また本入札会で2019年静岡県入札会は終了、年間累計出品量は45,506kgと昨年と比較して25%減産である(2018年・年間累計出品量:64,524kg)。ただし、第1回入札会と第2回入札会に出品されたテングサは昨年(2018年)採取されたテングサである。今年(2019年)採取されたテングサは第3回入札会からとなり、第3回入札会からの累計出品量で比較すると25,081kgとなり、昨年累計と比較して52%減産している(2018年累計出品量:47,984kg)。残念ながら大減産と言わざるを得ない。
 今回出品されるテングサの内、ある産地のテングサは「赤青」と等級がついたテングサでも青部分は少なく、十分使用できるものであった。また、「赤青(未改良)」と等級がついたテングサでも異物(カキやドラクサ等)の含有量は少なく、こちらも十分使用できるものであった。採取業者の方は改良には時間と労力がかかる為、「赤青」や「赤青(未改良)」でも十分使用可能であれば、こちらで出品した方が採取の方に時間と労力を割くことが可能、結果として出品量が増産するとのこと。今回の程度であれば、十分使用可能であり、増産を希望する旨を伝えた。
 別の産地では「春草」が出品されていたがカキが割合多く付着していた。個人的には「夏草」とあまり差はないと感じたが、やはり今回の「春草」は7月迄採取したテングサとのことであった。通常、7月になると「夏草」の様相を呈し始めると連絡したが、そうであれば「春草」として出品できないとのことであった。業者としては等級に左右されず、現物を確認して入札をすれば良いことなので、了承した。因みに別の業者は、やはり春草の方がカキは少なく上質とのことであった。
 入札業者は8社。内、FAX入札は2社であった。前回から東伊豆の落札価格は落ち着き始めたが、今回もその傾向があり、割合落札しやすくなった。一方で、西伊豆産テングサはまだ過少であり、それなりの価格で入札しなければ、依然として落札できない状態であった。次週、東京都入札会が開催され、2019年の入札会は終了する。

(報告/常務 森田尚宏)

小下田の海と富士山

夕暮れの須崎

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18 2019/11/14 東京都第2回入札会

 東京都第2回入札会が11月中旬に開催された(11月14日)。出品量は16,160kgと昨年の同時期と比較して14%増産した(2018年11月15日;13,814kg)。内訳は赤草が増産した一方(※1)、晒草は減産した(※2)。本入札会で2019年の東京都入札会は終了、年間累計出品量は29,264kgと昨年の年間累計出品量と比較して4%増産した(2018年年間累計出品量=28,007kg)。
 今回で2019年の全国で開催される入札会も終了、全国累計出品量は268,902kgと昨年と比較して11%減産した(2018年全国年間累計出品量=302,780kg)。ただし、関東近辺で減産したのは静岡県のみであり(29%減産)、城ヶ入札会(141%増産)、東京都入札会(4%増産)、千葉県(明確な資料はない)では増産している。地域の出品量と原因(黒潮の蛇行等)について研究すると面白いかと思う。
今回出品されるテングサは11月に出品されるということで夏期に生育したテングサが多いかと思われたが、カキや異物の付着は少なく概ね良質であった(通常、夏期に生育したテングサはカキや異物が多く付着し、春期に生育したテングサよりも様相が劣る)。
 入札業者は9社。今回は特にアラメ赤の出品量が多かった為、アラメ赤の落札値は落ち着くのではと予想された。一方で晒草は減産した為、それなりの落札値となることが予想された。実際に開票されてみるとアラメ赤の落札値は割合落ち着いた落札値であった一方、晒草に関してはやはり高値で落札された。伊豆産テングサが大減産したことも影響があると思われる。今回で全国の入札会は終了、高値は高値のままであったが徐々に落ち着き始めた感があった。

※1:ケグサ赤1等: 2018年出品量712kg→2019年出品量1337.5kg
アラメ赤1等:2018年出品量3821kg→2019年出品量9207kg
※2:ケグサ晒1等2等:2018年出品量3861kg→2019年出品量1577kg
アラメ晒1等:2018年出品量4176.5kg→2019年出品量3231.4kg

(報告/常務 森田尚宏)

見付する業者

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19 2019/12/16 平成31年度(平成31.1〜令和1.12)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

令和元年の生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 令和元年 平成30年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年 平成25年
東京都 33 34 42 35 44 52 53
静岡県 46 69 90 110 111 106 117
三重県 4 8 11 11 8 8 16
和歌山県 19 16 14 12 9 12 14
徳島県 34 36 31 36 26 45 32
愛媛県 104 114 135 118 149 160 146
高知県 8 13 9 16 11 29 40
長崎県 7 4 6 13 20 13 23
上記産地計 255 294 338 351 378 425 441
全国生産量 *425 411 471 568 486 510 559

*推定値     (単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2019.12.12

 今年、令和元年は11月14日の東京都第2回入札会で終了した。全国の生産数量は入札数量と入札外数量で推定425トンになった。平成30年は411トンだったので103.4%とやや増産になったものの過去6年間平均500トンに達するにはまだまだ遠い結果となった。
 天草の生産量を決定要因の3つ(作柄、採取条件、生産者数)の内、生産者数は例年どおり低く推移しているのに加え、作柄については春の時期から静岡県伊豆半島地域については不作状況が見込まれていた。
 2019.5.17の静岡新聞で「テングサ記録的不漁か西伊豆で漁開始、着生や生育悪化」、2019.5.30日経新聞朝刊には「国産テングサ不漁止まらず」と報道された。日経新聞では原因として海水温の上昇、海藻の栄養不足として、黒潮の大蛇行の影響で栄養塩が十分供給されなかった可能性を静岡県水産技術研究所伊豆分場の話として記している。対して千葉県房総半島では昨年は60トン強の数量であったが、今年は8月までに推定100トン以上水揚げされていた。
 採取条件をみれば西日本地域では、梅雨入りが例年より21日遅く6月26日,27日となり好条件となった。価格は早い段階で伊豆地域が不作から高値25%〜30%高をつけたこともあり、徳島県産は当初前年高値価格を更に10%ほど上回ったものの、以後全国的には総数量で昨年並みが予想され始め7月に入ると落ち着いた状態になった。
 しかし、関東地域では9月に入り台風15号が9月9日に三浦半島を通過後、千葉に上陸した。関東としては過去最大強クラスの台風であり、房総半島のてんぐさ漁に甚大な被害をもたらした。追い打ちをかけるように10月12日は台風19号が伊豆半島に上陸、又も千葉県はまともに風雨の影響を大きく受けた。それまで順調に進んでいたてんぐさ漁も9月以降ストップに近い状態となり生産量は以後伸びなかった。
 海外の輸入では財務省貿易統計によると韓国済州島産は昨年一年間で271トン価格は1,388円/kg(CIF価格保険料、運賃込み)のところが今年は10月までの集計であるが、104トン@1,570円/kgとなっている。韓国内で3年間の高値買付契約が2019年に終了し2020年には新しい展開になると予想されることに加え、前年同様、価格高が輸入数量を抑えている。
 また、最大輸入国のモロッコでは2018年680トン@648円/kgが同じく今年10月までの集計で758トン@586円/kgと数量増となる一方、価格は10%値下がりしている。モロッコ政府の輸出枠が2018/2019年が1,683トン(2017/2018年は1,441トン)と増えているのが影響している。
 なお、2019年の円ドルの為替レンジは昨年同様比較的狭い範囲の動きであった。(2019年;高値8月1USドル=¥106.27〜安値4月1USドル=¥111.66)
 全国数量の確定値は2020年3月末に報告できる。
(訂正 平成30年てんぐさ概況2018.12.18の文中、韓国済州島産輸入量2017年で1,630トンは日本の全輸入数量で韓国産輸入量は535トン、同じく2018年10月集計1,324トンは全輸入数量で韓国産輸入量は203トン。)

(報告/社長 森田庄次)

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