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てんぐさ入札会報告
毎年6月から10月にわたって行われるてんぐさ入札会の報告です。
てんぐさ入札会報告 平成30年(2018)
00 2018/03/19 平成29年度てんぐさ概況
01 2018/06/12 徳島県第1回入札会
02 2018/06/21 東京都第1回入札会
03 2018/07/06 愛媛県第1回入札会/三崎視察会
04 2018/07/12 静岡県第4回入札会
05 2018/07/17 三重県第1回入札会
06 2018/08/01 長崎県第1回入札会
07 2018/08/21 和歌山県入札会
08 2018/08/27 三重県入札会 

00 平成29年度(平成29年4月〜平成30年11月)てんぐさ概況

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、平成29年までの年別てんぐさ生産数量(入札数量+入札外数量)です。

産地\年 平成29年 平成28年 平成27年 平成26年 平成25年 平成24年 平成23年
東京都 42 35 44 52 53 63 53
静岡県 90 110 111 106 117 115 101
三重県 11 11 8 8 16 15 11
和歌山県 14 12 9 12 14 14 21
徳島県 31 36 26 45 32 37 37
愛媛県 135 118 149 160 146 86 80
高知県 9 16 11 29 40 18 36
長崎県 6 13 20 13 23 21 26
上記産地計 338 351 378 425 441 369 365
全国生産量 471 563 486 510 559 481 489

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ h30(2018)/3/19

 昨年のてんぐさ入札会は平成29年11月16日の東京都第3回入札会で終了した。
 全国の生産数量は入札数量と入札外数量で471トンになった。平成28年は563トンで、対前年83.6%、過去6年間の平均515トンをも下回り、近年最低の生産量となった。
 平成28年は高値で各地入札会が終了しているので平成29年の価格は各産地の集荷量次第でどのような方向になるか各浜の様子が注目されていた。平成29年2月、4月の静岡県伊豆地区では昨年の採取ものの入札会があり比較的抑えた価格で推移していた。そんな中、平成29年採取品で一番早くから始まる九州大分で5月、集荷量は前年並みであったが、落札価格は平成28年終わりの高値とほぼ同等価格となった。
 一方、当初5月入札予定の東京都伊豆諸島においては集荷量不足のため6月に伸びることになった。
 その間、徳島県では10%強減産となり平成28年同期を大幅に上回る価格が付けられた。次いでの6月の東京都伊豆諸島も毛草を除く他の高価格の品は軒並み高値落札なり、これが平成29年の相場を方向づける結果となった。
 伊豆諸島の数量減は平成29年1月、2月の海水温の着床適正温度13℃以下のところが2℃から3℃、高く逆に4月の成長時期には黒潮の南下の影響で2℃低いのが響いたと思われる。 
 以後の愛媛県、三重県、長崎県と高値だった前年価格を上乗せる状態となった。
 8月になると韓国は済州島の入札情報が飛び込んできた。
 それは現地価格で1kg平成28年5,500ウォンが、平成29年10,300ウォンと実に87%高のニュースであった。この価格は国内一次問屋には1kgあたり1,300円前後になり国内各地の天草価格をさらに押し上げる結果となった。為替はH28年9月100ウォン=9.15¥(8/24〜9/24終値平均)のところH29年9月100ウォン=9.74¥(同期間、終値平均)と円安になっているのもさらに影響している。
 まさに12年前、平成17年(2005年)の天草ブームの再来と思わせる異常価格となっていった。天草は国内市場だけでなく海外輸入品が大きく影響する見本のようなものであった。
 天草の一番の輸入先はモロッコである。モロッコ国内の2011年から続く輸出規制(1200トン)の第2期終了年の2016年は年間1,150トンのところが、2017年は輸出規制がかかり519トンと半減している。価格は27%(財務省輸入統計表より)上昇している。
  一方、韓国からは2016年411トンが2017年で535トンと増加、価格は年間平均輸入価格対前年比47.9%上昇している。
 このような状況に日本食料新聞では2017年9月6日一面に「天草高値続く」として記事を掲載した。
 さらに国内では東日本、北日本の記録的長雨が続き、また台風21号は10月22日から23日にかけ関東に上陸、天草主産地の千葉県房総半島に海域のみならず、採取の漁港、漁船にも大きな被害をもたらした。平成28年は千葉県産が200トン以上(相対取引が主)と他県を大きく凌ぎ、最大数量があったのが平成29年はその半分以下の数量で、特に7月以降はほとんど収穫されていない状況である。
 結果、平成28年の高値を更新した平成29年の国内、天草価格は値上がり始める前の平成26年(2014年)の価格と比べると各産地共、軒並み150%〜200%になった
 この一年の動きは正に天草価格の大変革のはじまりになるかもしれない。高値から就業者、採取人口の減少に歯止めがかかり逆に増えれば別であるが、自然現象、このおおもとは地球温暖化であり、海水温の上昇による磯焼けをはじめとする各種要因による天草収穫減は今後も続くことを認識しなければならない。

(報告/社長 森田庄次)

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01 2018/06/12 徳島県第1回入札会

 徳島県第1回入札会が例年通り6月中旬に開催された(6月12日)。徳島県第1回入札会は、全漁連共販主催の入札会で初回の入札会である。この為、本入札会は今年1年の入札動向を決定する重要な入札会である。出品量は16,117kgと前年比で89%と2年連続の減産である(H29#1:18,200kg)。また、先に開催された静岡県入札会(※)も昨年の6割程度と減産、千葉産テングサも減産傾向と、全国的に減産では無いかと懸念する。
 テングサの様相は全体的にカキの付着具合は少なく、綺麗であったが、ある地域のテングサは例年よりも小さく細い印象であった。テングサの生長が悪いのではと推測された。
 入札業者は9社。先に開催された静岡県入札会の出品量は例年の6割程度であり、昨年よりも更に落札価格が上がっていた。この為、今回の徳島県入札会でも競争が予想された。各社、本入札会には気合いが入っており、通常よりも早く会場に入り、テングサを見付けていた。ピリピリとした雰囲気の中、入札会が始められた。結果、落札値はやはり静岡県入札会の落札価格が影響しており、予想よりも大幅な高値となった。続く愛媛県入札会に強い影響を与える入札会となった。

※静岡県入札会は全漁連共販主催の入札会ではない。

(報告/常務 森田尚宏)

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02 2018/06/21 東京都第1回入札会

 東京都第1回入札会が昨年と同時期の6月中旬に開催された(6月21日)。
 東京都入札会で出品されるテングサの内、アラメ(学名;オオブサ)と呼ばれるテングサは、この地域独特テングサで、通常のテングサよりも太く、硬い触感を出すのに使用されることが多い。
 この為、他地域のテングサで代用が困難で、競争が激化しやすい。更に2年前迄、出品量が減少していた為、競争が加速されて、落札価格が高騰していた。一方で今年は昨年よりも120%と増産、他地域程競争は激化しないのではと予想された。
 テングサの様相は全体的にカキの付着具合は少なく、綺麗であった。特に、ある地域のテングサは例年よりも良く育っていた。やはり、黒潮の流れが変化しているのではないか。
 入札業者は10社。上記の様に競争は激化しないと予想したが、有る程度の動向は先に開催された静岡県入札会と徳島県入札会で決まっている。また千葉県での水揚げ量は減っており、これらの点を踏まえて入札を実施した。その結果、昨年程の高騰は少なくなり、各社バランス良く購入することができた。続く愛媛県入札会も出品量が増加されることを望む。

(報告/常務 森田尚宏)

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03 2018/07/06 愛媛県第1回入札会/三崎視察会

 愛媛県第1回入札会が昨年と同時期の7月上旬に開催された(7月6日)。本入札会は出品量が他地域より多く、数量確保に適した入札会である。出品量は91,925kgであり、昨年と比較して90%と減産となった(H29.7.7;102,042s)。
 出品されたテングサは様々な産地/等級があり、外海物/内海物、赤草/晒草、フケ付等と別れる。様相を確認してトコロテン用にするか、寒天製造用にするか、検討していく。価格と合わせれば、様々なテングサを使用することができる。晒草は小売り商品として可能であるが、今回は赤が多く残っていたり、晒がくすんでいたり、よく検討する必要があった。
 入札業者は11社。この日は大雨警報が発令しており、大雨の中での開催となった(1社は大阪駅で足止めされてしまい、メールで入札)。入札価格は徳島県入札会での価格が参考にされる為、やはり高騰が予想された(直近の東京都入札会は、テングサの性質が異なる為、あまり参考にできない)。実際、落札値はかなり高騰し、中でも数量の多い中級テングサの高騰が目立った。これは上級のテングサより安価である一方、様々な用途に使用でき、人気が集中した為である。
 本入札会の次の日、三崎地域での産地視察を行った。松山より3時間程度で佐田岬半島の三崎港に到着、更に細い山道を30分程度走り与侈支所に到着した。三崎地域全体での採取人数は通常で30人程度、今年は魚の量が少ない為か、テングサ採取には60人程度とのこと。各所で採取されたテングサは本支所(与侈支所)に集められ、選別されていく。視察時は10人体制で付着したカキや雨晒となった個所を除去していた。丁寧に選別して頂いている姿を目の当たりにすると、購入し販売する我々も頑張らなくてはと感じた。現在保管されているのは2,000キロ程度であり、秋は採取しないだろうとのこと。
 支所見学の後は、佐田岬半島で収穫された魚介類のもてなしを受け、美味しさの余韻を抱きながら帰途についた。豪雨ではあったが、充実した本視察会を計画・実現して頂き、簡便ではあるがここに謝辞を述べさせて頂く。

(報告/常務 森田尚宏)

2018/07/06 愛媛県漁連にて

2018/07/07 佐田岬半島 与侈支所

2018/07/07 佐田岬半島 与侈支所 テングサ選別風景

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04 2018/07/12 静岡県第4回入札会

 西日本では豪雨で大変な被害が出ているなか、東海地方から東の太平洋側では例年より早く梅雨明け、猛暑日が続いている。
 今年の静岡県入札会は第1回から第3回まで出品数量が比較的少なく弊社はこれまでファックス入札で応札。今回今年初めての伊豆へ出向いての入札である。例年のように生産状況を確認するため組合回りをしたものの想像以上に集荷数量が少ない。写真は土肥支所の小下田倉庫。閑散としているのがわかる。
 今年の入札数量は今回の第4回までで累計1020本、25490kg。去年の同時期は1810本、45225kg。4割以上の減産となっている。入札会場に並んだ見本もいつもより少ない。加えて次回第5回入札会が数量不足で中止と発表された。それなりの高値が付くだろうと予想して入札。入札商社はファックス入札1社を含め8社。結果高値落札は想定内だったが一部銘柄については想定以上の高値が付いたものが出た。今どきの言葉で言えば「半端ねぇ!」といったところか。

(報告/森田智治)

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05 2018/07/17 三重県第1回入札会

 三重県第1回入札会が昨年と同時期の7月中旬に開催された(7月17日)。出品量は5,046kgであり、昨年と比較して48%と減産となった(H29.7.14;10,519s)。四国地域が昨年と比較して80%〜90%であるのに対し、かなりの減産といえる。因みに伊豆地域も60%でかなりの減産、一方で伊豆諸島(東京都)は120%と増産で地域により様々である。
 出品されたテングサは昨年と比較して、フケやカキ、アオが少なく良品であった。ただし、中には、カキが付着していたり、くすんだ晒になっていたりしていた商品もあった。総合的には、よく育っていた感があった為、減産であるのが残念である。
 先にも述べたが、減産である為、今回はFAX入札となった。入札業者は8社。FAX入札は、全種類を一度に入札する為、入手したいテングサであれば高値で入札せざるを得ない。この為、落札値は高値となった(通常の三重入札会であれば1品毎の入札の為、落札値の傾向を把握しやすい)。それでも現在の相場からすれば、大凡想像がいく価格でもある。次回は8月1日の長崎入札会である。

(報告/常務 森田尚宏)

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06 2018/08/01 長崎県第1回入札会

 長崎県第1回入札会が昨年と同時期の8月上旬に開催された(8月1日)。出品量は1,321kgであり、昨年と比較して40%と減産となった(H29.8.14;3,278s)。7月中旬に開催された三重県入札会も昨年と比較して48%と大減産であったが、それを上回る減産率である。
 太平洋地域での減産は黒潮の蛇行が影響していると思われたが、長崎は対馬海流の影響を受ける地域である。対馬海流も何か変化があるのだろうか。
 実際にサンプルを確認すると少し毛足が細いように感じられた。やはり成長が遅れているのか。ただし、カキの付着は少なかった為、歩留まりは良いと思われる。因みに長崎産テングサは、トコロテンに良い粘りのテングサがある一方、寒天用に良いテングサもある。また、地産地消が謳われる昨今、長崎産テングサを希望するお客様も少なからずある。
 基本的に長崎県入札会ではFAX入札が行われないが、今回は出品数量が少なかった為、FAX入札も可となった。しかし、結果的にFAX入札する業者はなく、入札は4社で実施された。落札値はこれまでの相場に従い、やはり高値となった。

(報告/常務 森田尚宏)

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07 2018/08/21 和歌山県入札会

 和歌山県入札会が昨年と同時期の8月中旬に開催された(8月21日)。出品量は15,863kgであり、昨年と比較して115%と増産となった(H29.8.23;13,790s)。他地域と異なり、2,000kgの増産であるが、採取業者の話では、水温が14℃以下にならなかった為、成長が悪かったとのこと(テングサは春先に海水温が14℃以下にならないと胞子が岩礁に付着しない)。ニュースでは例年北海道で水揚げされないフグも水揚げされており、やはり海水温の上昇が影響しているようだ。また、今年はサルクサ(オバクサ)が多い傾向で、例年マクサのみの産地でもサルクサが混入していた。全体的にはカキの付着は少なく、良質なテングサが多かった。また個人的にはどの産地も例年通りで成長が遅い印象はなかった。
 入札業者は5社。入札も中盤に入り、業者もテングサ確保の熱が更に入ってきている。会場では、各業者強めに入札する雰囲気がでており、実際、落札価格は高くなっていた。また、各業者の入札値は近接していた印象があり、このことからも業者の確保熱が強いことを物語っていた。次回は徳島県入札会/高知県入札会であるが、影響を与えそうである。

(報告/常務 森田尚宏)

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08 2018/08/27 三重県入札会

 三重県入札会が昨年と同時期の8月下旬に開催された(8月27日)。出品量は3,210kgであり、昨年と比較して637%と増産である(H29.8.31;504s)。ただし、昨年第2回入札会の出品量は例年と比較して大減産であった為、今回が大増産ということにはならない。三重県入札会は今回の第2回で終了と考えられ、年間の出品量としては8,256kgとなった。これは、昨年の全出品量と比較すると75%の減産である(H29の全出品量:11,023s)。やはり全国的に減産傾向が強い。
 サンプル自体はカキやアオの付着が少なく、割合良い印象を受けた。出品量が多いテングサも状態が良かった為、このテングサの購入が焦点になると考えられた。
 入札業者は6社。出品量が少なかった為、前回に続いて今回もFAX入札となった。落札値はこれまでの流れからやはり高値になった。弊社も希望のテングサを一部落札できたが、全体的に各業者の入札値は近接していた印象があった。

(報告/常務 森田尚宏)

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