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てんぐさ入札会報告 平成15年(2003)
00 2003/05/08 昨年度(H14)の報告
01 2003/06/17 徳島県第1回入札会
02 2003/06/19 東京都第1回入札会(伊豆大島のてんぐさ経営)
03 2003/06/25 静岡県第1回入札会
04 2003/06/27 和歌山県第1回入札会
05 2003/07/01 愛媛県第1回入札会
06 2003/07/04 三重県第1回入札会
07 2003/07/09 静岡県第2回入札会
08 2003/07/09 城ヶ島第1回入札会(てんぐさ漁の方法)
09 2003/07/16 梅雨寒列島(東京都第2回 集荷量不足により中止)
10 2003/07/29 和歌山県第2回入札会
11 2003/07/31 中止相次ぐ、八木沢第1回、静岡県第3回、東京都第3回
12 2003/08/01 長崎県第1回入札会
13 2003/08/06 三重県第2回入札会
14 2003/08/20 静岡県第4回入札会(第3回は中止)(てんぐさの干し場)
15 2003/08/21 東京都第2回入札会
16 2003/08/26 徳島県第2回入札会
17 2003/08/27 高知県第1回入札会(黄さらしと青さらし)
18 2003/09/03 城ヶ島第2回入札会(てんぐさの改良方法)
19 2003/09/05 愛媛県第2回入札会
20 2003/09/05 伊豆八木沢小下田第2回入札会
21 2003/09/24 静岡県第6回入札会(第5回は中止)
22 2003/10/02 東京都第3回入札会(大島での操業者数)
23 2003/10/03 城ヶ島第3回入札会
24 2003/10/08 静岡県第7回入札会(最終回)
25 2003/10/29 東京都第4回入札会(追加入札)
26 2003/10/31 平成15年 まとめ

00 2003/05/08 昨年度(H14)の報告

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成14年 平成13年 平成12年 平成11年 平成10年
東京都 67 78 95 178 147
静岡県 202 176 159 169 138
三重県 27 44 51 38 32
和歌山県 27 36 48 36 47
徳島県 71 146 98 47 103
愛媛県 132 128 138 156 195
高知県 5 29 32 17 23
長崎県 18 28 21 32 36
上記産地計 549 665 642 673 721
全国生産量 658 767 789 821 938

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2003/5/8

 全国生産総数量は658トンとなり前年に比較して85.8%と大きく減産となった。
 これはもともと不作のところに採取が多くされる14年7月に台風が4ヶも本土に接近して、採取条件が良くなかった事に原因がある。
 また、1年の特徴としてあらめ草の主産地の伊豆大島、千葉房総半島の生産が非常に少なく13年比約50%ほどかと推測される。
 徳島県も豊作の13年の50%ほどになり例年の生産量に戻った。
 また、総量ではすくないものの高知県の減産率の大きいのには注目される。
 一番の数量変化は東京都の平成11年の178トンから平成12年95トン、平成13年78トン、平成14年67トンと約100トンほどの減である。ひとえに三宅島の生産再開にかかっている。
 「現在の三宅島の様子は島のインフラの復旧工事関係者が常駐している。また、一般島民の人達は全面帰島許可はおりていないものの一部、交互に短期宿泊して復帰に向けて準備をしている。
 4月下旬のてんぐさの生育状況は期待できるところまで繁茂しているようである。イセエビ漁は少し操業され荷揚げは隣の式根島に揚げているが、テングサ漁については陸上設備および作業者が要るため現在、東京都漁連で検討中である。(東京都漁連、片下氏談03.05.08)」
 いずれにしても三宅島の再開が待たれるところである。
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01 2003/06/17 徳島県第1回入札会

 今年、最初のてんぐさ入札会が徳島県でおこなわれた。数量は昨年の56トンに対し21トンと約40%以下の集荷量であった。
 今年は天候状態が西日本では5月にけっこう雨が多く、さらに梅雨入りしてからも雨続きで晴れる間がほとんどなかった。こうしたことが不作といわれていたことにさらに採取にも影響したと思われる。
 出席商社数は昨年の8社にさらに1社増え、9社で朝から品の見つけがはじまった。
 写真で見るように昨年はいっぱいに積んであったところに今年は海苔箱が積み上げられ少なさがよくわかる。
 11時に札閉めがおこなわれ即開票となった。予想は昨年の20〜30%いくと思われていたが、結果は意外や1番目が即、50%で落札された。以下、つぎつぎとなされる発表は軒並みに昨年比40%から50%高であった。
 これから入札予定が東京都、静岡県、和歌山県、愛媛県、三重県とあるが成り行きが注目される。

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02 2003/06/19 東京都第1回入札会

 一昨日の徳島県に続いて東京都でも伊豆七島のてんぐさの入札会が始まった。ここのてんぐさはところてん用として静岡県産と同様に評価が高いので各方面から注目される。
 当日は参加商社10社のほか、静岡県漁連から2人、全漁連から2人、浜の生産者として伊豆大島漁協の
波浮地区、岡田地区からも様子を見に来ていた。
 梅雨入りからの長雨と台風6号の接近があり九州長崎県方面をかすめて通っていく。
 集荷量は昨年と同じ15トンであるが伊豆大島の岡田地区、波浮地区、元町地区、式根島で占めらていて
昨年の八丈島のものは皆無であった。また、三宅島も当初、採取期待されたが結局、ゼロという状態である。
 入札に先立ち漁連の中村専務から今年の作柄概況として大島北部、岡田地区はやや不良であるが今後の水温の経過、生育を見守りたいとの話があった。
 1時30分から入札開始、即、発表された。注目は波浮地区の天赤あらめの1等の201本口(写真)あった。少ないとはいえ今回この浜は品質もそろっていた。結果は昨年比、平均20〜35%高でそれぞれ落札された。
 入札会終了後、生産者、都漁連、買付商社の間で懇親会が開かれ、島の様子を聞くことができたので
それを報告する。
 島の南部では波浮地区で8人、差木地地区で2人の潜水器械設備でもって操業している。年齢は40歳台から60歳台で平均すると50歳半ばということである。
 潜水器械は「フウカ」と呼ばれ船上からコンプレッサーで空気をチューブをとおして送りこむ。ウエットスーツを着用しながら水面下5〜6mのところで手で天草を採っては「スカリ」と呼ぶ網袋に次々と入れていく。
 午前9時から午後2時まで途中、休憩を1時間ぐらいとりながら操業する。平均で1人、水揚げ量は200kg、乾燥して約60kgであるが、熟練者なるとその3倍くらいは採るという話であった。本日の201本は波浮地区8人、10日間ほどの操業での数量である。
 水揚げ金額の取り分は採取者が67%漁協組合が33%で本日の入札会での価格が生産意欲に即、結びつくところであり高値結果は今後の収穫量を期待させることとなった。

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03 2003/06/25 静岡県第1回入札会

 静岡県第1回入札会がおこなわれた。入札に先立ち、東浜の主だったところを現況把握のため、まわる。
 連日の雨模様が続き、漁に出る日が極めて少なくなっている。干し場も雨にうたれている。その影響で倉庫内の集荷量もすくなく梱包できているのものが合計稲取50本白田10本程度である。
 大川は船の調子が悪く、その後は雨にたたられて皆無の状態である。入札は全量で6トンと昨年の31トンと比較して激減である。昨年多く出た西浜特に仁科浜13トンが出品ゼロとなってこれがきいている。
 価格は10%から45%高で終わった。
 このあと27日は大阪で和歌山県、続いて7月1日に愛媛、4日に三重と連続する。どのような展開になるのか興味がもたれるところである。

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04 2003/06/27 和歌山県第1回入札会

 一昨日の伊豆に引き続いて大阪市大阪海苔問屋組合事務所で和歌山県第一回入札会がおこなわれた。
 ここも昨年の13トン、今年の6トンと半分以下である。しかも太地漁協と下田原漁協分は乾燥しきってなくて組合の受け取り数量での上場である。昨年同様、出席商社は7社、当然高値予想が漂う。
 写真は入札に先立ち、主催者側の和歌山県漁連と全漁連の担当の人が見本の品を検品している。特に乾燥状態が重要であり、応札商社からのクレームがない様に浜の単協組合への指導がはかられている。
 1時よりはじまり、11品目を一回で入札、即、開票された。結果は価格の低いものほど上げ幅が大きく、40%高の品も3品目でた。
 この天気でどこも集荷量が少なく、量が少ないものは高くなるというきわめて単純な図式である。しかし、販売面を考えるとストレートに価格転嫁を反映するのが困難な時勢であるので、ここはただ天候の回復をまって集荷量の増大を期待するのみである。
 来週は近年一番の量がでる、愛媛県の入札会が7月1日火曜日にある。

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05 2003/07/01 愛媛県第1回入札会

 愛媛県の入札が今日7月1日に松山市であった。
 前日から松山に乗り込んでいる商社が多い。当社社長はいつものパターンで前日午後10時30分、神戸中突堤発の関西汽船別府航路に乗船し、翌朝午前6時に松山観光港に入港する。
 入札の開始まで時間があるのでそのまま松山市内の道後温泉へ直行、一風呂浴びてから入札会場へ到着する。見本が各漁協から出ているのを各商社が見付けして価格を検討している。
 全出品量で86.5トンほどを2回に分けて入札する。ここも他産地と同様、昨年の120トンに比べれば大きく30%近く減産になっている。勢い高く昨年比50%前後高く落札された。
 下の写真は1回目がおわり2回目の札を入れたあと、結果待ちの様子である。これで終わったとのほっとした雰囲気が漂っている。

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06 2003/07/04 三重県第1回入札会

 続いて三重県の番である。ここは全品が一箇所、松阪市にある漁連共販所倉庫にてんぐさが集められている。このようところは他では徳島県と東京都だけである。
 三重県は口開けが5月はじめと早い浜もあり、天候状態がよいときに操業して例年になく量が集まった。昨年の21トンに対し44トンとなり、倉庫内はてんぐさであふれている。その間をぬって、下見する。
 おもい通りの展開となり、上物に比較して下物の上げがおおきくなった。44トン中70%ほどを落札する。

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07 2003/07/09 静岡県第2回入札会

 週が代わって、静岡県の2回目の入札が9日に開催された。翌日が予定では東京都の2回目であったが、集荷が進まなくて東京都は中止となった。代わりに神奈川県の城ヶ島があるので下田まで出かけて入札をする。
 下見に須崎の大間支所と爪木支所をまわるものの3週間前に浜まわりしたときとてんぐさの量は倉庫内で増えていなかった。ここもやはり雨続きで出漁できなかったことがわかる。
 午後1時30分から始まる札は前回を上回り終了する。
 今後の販売価格にどこまで転嫁していけるのか今の不景気、デフレ基調の状態を考えると慎重にならざるを得ない。
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08 2003/07/09 城ヶ島第1回入札会
(てんぐさ漁の方法)

 昨日に続いて神奈川県三浦半島城ヶ島の入札があった。
 入札前に時間があったので港をまわっていると丁度てんぐさ漁をする生産者に出会った。ここはあらめ草のいいものが採れる。手のひらにのせてその感触を確かめる。
 ここでは船から「ひっかき棒」と呼ばれる長さ約2間(3.6m)ほどのものをあやつりながら箱メガネで海中をのぞいててんぐさをひっかきあげる。
 棒の先に幅20cm弱のカギがついているがその刃の間隔がポイントである。空きすぎてはてんぐさが抜けるてしまうし、狭すぎると採ったてんぐさが刃からとりはずしにくいということである。
 また、棒が先端部でゆるやかなカーブがかかっているがこれも海底でスムーズにてんぐさをひっかける工夫のひとつである。
 1人が約3時間操業して干し上げで15kgぐらいになるいう。城ヶ島では5〜6人がやっているとのことであった。もちろん大潮の干潮時には女性も磯に出て採ったり拾ったりする。
 収入の10%が組合に残りの90%が本人の手に残る。この割合は他の産地に比較すると生産者に有利な条件である。
 肝心な入札の結果は昨年比30%高で終わった。

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09 2003/07/16 梅雨寒列島
(東京都第2回 集荷量不足により中止)

 平成15年7月10日 東京都第2回入札回中止梅雨寒列島;6月後半以降の日照時間は平年の半分。
 日照時間の少なさがここへきて新聞にとりあげられてきた。東北地方の太平洋岸側では平年の10%の日照時間と報じている。西日本の太平洋側では各地とも50%前後の日照時間であった。
 てんぐさの関係では予定していた7月10日開催の東京都の入札会が中止になっている。てんぐさ漁は採取したものを乾燥させる必要があるのでこの日照不足は減産におおきく作用する。
 今までの生産量(入札出品量)は昨年267トン今年186トンである。30%の減産になっている。今後の梅雨明け、早い天候の回復が待たれる。
 

日本経済新聞夕刊記事より

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10 2003/07/29 和歌山県第2回入札会

 大阪で和歌山県第2回入札会が行われた。
 今年の和歌山の特徴は加太漁協分が極端に少なくなっていることである。昨年でも決して多くはないがそれでも6,200kほどあがっている。対して今年は一回目に出た3,300kgのみで今回は出品ゼロであった。
 天候が悪いのと不作とさらに就業者の減と3拍子揃った結果と思われる。応札者は昨年同様6社で、加太以外の漁協分がそこそこあり約16トン(昨年は13トン)今年の合計は24トン(昨年は26トン)となる。
 昨年は台風が7月に4個も日本に接近して、海況不良。今年は長梅雨でやはり採取に不適。
 結果は昨年比kgあたり赤草で200円から300円高で終わる。
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11 2003/07/31 中止相次ぐ、八木沢第1回、静岡県第3回、東京都第3回

 ここのところの長梅雨で各地の集荷量が極端に少なく、予定していた入札会が相次いで中止となっている。
 まず、例年7月20日前後にある西伊豆土肥漁協の八木沢の入札会が量が少ないため中止。ついで30日に予定の静岡県の第3回の入札会、そして31日予定の東京都第3回が同じく中止となる。
 昨年も台風の影響でこの時期中止が続いたが今年は伊豆西海岸の仁科浜、八木沢分が不作のため昨年と比較して大きく減産している。昨年より数量確保については深刻である。
 西日本では先週梅雨明けしたものの東日本では8月1日になる模様である。
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12 2003/08/01 長崎県第1回入札会

 昨年は8月2日にあった入札会が今年は1日にあった。折しも長崎県は高校総体の当番県で長崎市内はどこも宿が満杯状態である。
 出品量は昨年同様例年の約半分の6トン弱である。結果は五島列島三井楽産の1等が昨年比44%高で取引された。
 そろそろこの高値続きも終わらせたいものであるがそれには天候の回復による集荷量の増加に頼るしかない。
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13 2003/08/06 三重県第2回入札会

 三重県の第2回入札会が松阪市の三重県海苔流通センターであった。
 例年、三重県の第2回目は出品量が少なく、和歌山県の第2回との合同開催でここしばらく続いて行われていたが、今年に限っては14トンと昨年の5トンと比較して大幅にふえ、単独開催となった。
 他県では数量不足が多いのに三重の紀州方面の増産が目をひいた。
 紀伊長島から南に下って尾鷲市、熊野市、鵜殿町までが三重県である。新宮川を越すと和歌山県新宮市である。ちなみにこの三重県の紀州地区は北牟婁郡、南牟婁郡であり、和歌山県に入ると東牟婁郡、西牟婁郡となっていく。
 今回の大口はこの紀州地区、三浦漁協、道瀬漁協が多かった。価格が高いのも増産要因であった。
 通常は2回目のてんぐさは二番草といって品質が下がり初回より値段が10〜20%下がるものが、逆に上げ相場にのって20%高で取引された。
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14 2003/08/20 静岡県第4回入札会
(第3回は中止)(てんぐさの干し場)

 盆明けのてんぐさの入札会が始まった。
 今年のお盆休みの間、ずーっと天気がよくなかった。少しでも天候が回復しての期待も大きくはずれてしまった。
 静岡県での入札会の出品量も組合倉庫を空にしての出品でも14トンであった。昨年は大量にあった仁科浜がようやく出品されたもののこれで26トン(昨年は62トン)である。
 久しぶりに須崎の組合へ出向き生産量を確かめに出向いたものの少ない。
 「海の中には生えているが天候が災いして採れない、すこしでも天候が回復すれば採りたいが。」と組合長の言葉であった。
 価格はkgあたり赤草で300円から500円高、率にして高いのものは70%高のものあった。
 須崎(爪木)の天草干し場

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15 2003/08/21 東京都第2回入札会

 待望の東京都の入札が開かれた。いつもならこの時期は第4回にあたり最初からの数量も約100トン(平成11年、三宅島噴火前)ほど集まるところが今年は僅か26トンである。
 伊豆七島とはいうものの今年に限っては伊豆大島が主体で僅か、式根島がほかにある程度である。昨日の伊豆の傾向がどのようにでるか、興味深深のところ、結果は伊豆大島あらめ赤がすでに高くなっているところがさらに250円ほど、晒しのあらめ草については500円ほどの大幅な上げとなった。

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16 2003/08/26 徳島県第2回入札会

 徳島県の第2回目の入札会が開かれた。いつもは8月のお盆前に開かれるのが今年は集荷が天候不順で遅れ今日になった。
 翌日に高知県の入札予定を入れたので出席商社は昨年より1社増えた。数量は15トンでこれは昨年の2回目と同量であるが、合計では36トンで昨年の71トンと比較して約50%であった。
 倉庫内の荷物も閑散としているのがわかる。
 価格は今まで買いの進んでいない商社がてんぐさの買付期の終盤に入ったことを感じてほぼ全量を破格の価格で応札し落札した。昨年の倍になる荷物も出た。
 開票後、出席の同僚商社達から徳島での過去最高値更新に思わず拍手が沸きあがった。異常な事態であった。
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17 2003/08/27 高知県第1回入札会
(黄さらしと青さらし)

 昨日、徳島の入札を終え、列車で阿波池田経由土讃線特急「南風9号」で高知入りした。約3時間の列車の旅で途中、大歩危、小歩危を車窓に見ての移動である。しばし、てんぐさの買付から離れゆったりした旅であった。
 徳島からそのまま高知入りした商社は当社を含め3社であった。
 今年の高知のてんぐさ状況は採り草がなく、すべてより草主体である。量は昨年同様の約5トン。12年の30トン、13年の27トンと比較すると大幅な減産である。
 より草は採り草にくらべ品質がすこし落ちるとされるが価格は昨日の高値覚えがあるため当日は緊張した空気が漂う。
 てんぐさのさらし品が出品されていた組合もあった。(写真)左側が青晒草、右側が黄晒草である。同じ産地であるが採取後すぐ水をかけ日に晒すと黄色く変化する。
 採取後しばらく2ヶ月〜3ヶ月間、赤草のままで保存、その後同じように水をかけ、日に晒すと青くなる。
 ところてんにした場合、出来上がりの色が黄晒では白く、青晒では薄い緑色になりやや磯の香りがする。どちらが良いとはいえず好みによる。
 価格は昨日の波にのり高値推移した。
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18 2003/09/03 城ヶ島第2回入札会
(てんぐさの改良方法)

 神奈川県三浦半島の先端、城ヶ島組合の今年2回目の入札会である。
前回、思いがけずにも高値であったことから例年になく荷物があつまった。今回、約70本である。これで一回目とあわせて3トン半弱、昨年が1トン半であったので高値が増産意欲に結びついた結果である。
 今日も前回を10K1000円以上上まわり、落札した。
 途中、てんぐさの改良をしていたのでその作業を見た。根に石がついたところははさみで切り落としている。(上の写真)また、木槌でカキがらの大きいものはたたいて落とす。(下の写真)
 まだ、20日ほどまで天気がよければ採りたいということであるのでこれから20本強は集まると予想される。

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19 2003/09/05 愛媛県第2回入札会

 全漁連では今年最後になると思われる入札会が愛媛、松山であった。出席商社は5社、出品量は昨年同様約12トンであった。最後ということもあり、欲しい荷物は人気が集中して高値呼びになるかと思われたがそこそこの値段で終了した。
 今年の天候は今ごろになって太平洋高気圧が張り出し、残暑がきびしくなっている。他の農産物、水産物でも不作のものが多く、コメはいうにおよばず、ほかでも例えば和歌山特産の梅(梅干)など日照不足からくる不作により50%ほどの高値になっていると新聞は報道していた。
 第1次産品は不作から高値をよび、デフレ不況であるが最終商品価格に少なからず影響を与えそうな最近の動きである。注目される局面である。
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20 2003/09/05 伊豆八木沢小下田第2回入札会

 今年の伊豆西海岸が極端に不作で、例年7月下旬の集荷、入札される分が今日ようやくできた。
 小下田漁協は7月に3トン弱ではあるが入札したものの、中心は八木沢であり、今日の入札会が注目された。昨年の3分の1の集荷量である。さらに今夏天候不順で晒加工がどこでも例年の半分以下しか操業できなかった。
 結果はkgあたり400円から600円高、率にして50%ほどの上げになった。
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21 2003/09/24 静岡県第6回入札会(第5回は中止)

 第5回が中止になっていた入札会が6回として今日、開かれた。そろそろ各浜もてんぐさ漁の終了期にはいり、今回は東海岸を中心に8トン弱の出品となった。
 今までのところ昨年の76トンに比べ、今年は28トンと60%以上の減産率である。ひっきょう、価格は今まで高く推移してきたのであるが、未だ品物を手当てしていない問屋も見受けられ、その挙動が注目された入札会であった。
 通常、初夏の5月ごろの採取のてんぐさが良質とされている。夏期に入ると、2番草といってカキなどがてんぐさに付着して寒天分が落ちてきて、価格も2割から3割ほど下げてくるのが通常である。
 静岡県の場合はFAX入札も認めらていて、今日は出席5社、FAX入札5社、預け入札1社であった。須崎漁協地区では一部、春草が出品されそれは今年の最高値がついて落札された。
 今年の夏物天産物は一応に天候不順に影響され、不作で推移している。勢い価格も高くなり、加えて品不足になり、「コメ」の例がよく引き合いにだされているが、有名銘柄品のチェックがきびしくなってきている。
 銘柄だけにこだわらずに真に品質でものの良否を判断していきたいものである。
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22 2003/10/02 東京都第3回入札会
(大島での操業者数)

 東京都では今年最後の入札会がおこなわれた。
 昨年は入札数量49トン(一部神津島が相対取引されているがその分は含まれない。)今年は41トンで昨年対比85%であった。今年の新島が出てない分約、8トン270本が減産されている。いずれ新島分もでてくると思われる。
 写真は大島、波浮港天赤荒の1等ではあるが白いカキが目立つ。案の定、欲しい人とそうでない人との入れ値はおおきくはなれた。
 入札会終了後、買付商社と漁協の人と情報交換会がおこなわれた。採取量は波浮地区では器械を使用が9人、素もぐりが3人、の計12人、それにそのときの状況で操業する人が4人ほどいるということである。
 器械の人はよく採るひとで年間4000Kg(干上げ)、素もぐりの人で年間1000kg(同)1日では生で700kg(干上げで200kg)はよく採る人のようである。
 また、元町地区では素もぐりの人で12人ほどが操業(1人、年間干上げ1000kg)しているとの話である。
 今年のてんぐさ価格でいけばけっこう良い収入源になったことと思われる。

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23 2003/10/03 城ヶ島第3回入札会

 城ヶ島では珍しく今年3回目の入札がおこなわれた。例年は2回で終了するのが今年は5トン(昨年は1.5トン)であるから約3倍の生産があがったことになる。
 組合に入る途中、いつもの生産者(漁師さん)がいたので話を聞く事ができた。増産の理由は一にも二にも価格であることを話していた。昨年の平均で50%高で、数量では3倍とくればいうことなしである。
 今年は冷夏、長雨で他地区での生産がすすまなかったのでそうでない地区との差は大きいと思われた。
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24 2003/10/08 静岡県第7回入札会(最終回)

 最終の入札会が行われた。さすがにここまで来るとてんぐさは夏採取の夏草が主体となる。いわゆるカキが付いてきて、春草に比較すれあ2割から3割ほど品質が落ちる。
 それなりに札が入ってきてそれぞれが落札された。
 今年は西海岸が不作で代表的な浜では仁科浜であるが、県漁連主催の入札では昨年96トン、今年47トンであるから丁度50%減産になった。
 後は例年、個別に行われる仁科浜分があるが今年はどのくらいの数量になるか、おそらくかなりの減産数量になるのではないかと想像される。
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25 2003/10/29 東京都第4回入札会(追加入札)

 前回10月2日の第3回入札会が最後ということだった東京都伊豆七島の入札会が追加分があるということ追加入札会が開かれた。第3回のときに新島分が0であったのでいずれ少しは出てくるものと想像されていた。
 ふたを開けてみれば新島だけで327本約10トンほどになった。しかもすべて晒の荷物で天晒では他地区も含め304本と思いのほか大量になった。前回時にこれが最後という東京都漁連の説明であったので、各問屋はそのように対応して少ない荷物をかってない高値で落札してきたところへこの出品でいささか食傷気味なところである。
 案の定、入札会前の各問屋の表情はその不満であふれていた。そうなれば相場は当然、弱くなってくる。
 出席商社数もいつもは10社から11社あるのが8社と少なめである。入札会開始前に一部商社から入札の運営方法に不満と強い要望が出された。結局、ことの経緯を漁連側が説明し、今後各島の状況をよく把握して情報を逐次流すことの改善を確認した。
 品物は春草でいいものが今までより値打ちな価格でそれぞれの商社に落札された。
 これで今年の公開入札はすべて終了となった。
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26 2003/10/31 平成15年 まとめ

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成15年 平成14年 平成13年 平成12年 平成11年
東京都 66 67 78 95 178
静岡県 60 202 176 159 169
三重県 65 27 44 51 38
和歌山県 26 27 36 48 36
徳島県 36 71 146 98 47
愛媛県 98 132 128 138 156
高知県 6 5 29 32 17
長崎県 6 18 28 21 32
上記産地計 363 549 665 642 673
全国生産量 集計中 658 767 789 821

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2003/10/31

 平成15年のてんぐさ入札会も県単位では10月29日の東京都の追加入札会でもって終了した。
 今年は6月から8月前半のてんぐさ収穫時期として一番いい時が天候不順、長梅雨にたたられて出漁日数が減り、その結果てんぐさの水揚げ数量が大幅に少なくなった。
 特に静岡県の西伊豆地区では近年多量生産地となった仁科浜を始めとして土肥漁協八木沢地区など、今年は作柄不良のところにこの天候不順の影響で減産、静岡県全県では昨年202トンから今年60トンと大幅な減産となった。今後、仁科浜漁協では単協での入札会があり今の60トンより増えるとは予想されるものの昨年にはとうてい及ばないと思われる。
 この減産で各地の価格も軒並みに上昇し、それぞれ前年比30%から50%高で推移、徳島の2回目入札会では倍ほどの価格になった。今まで、浜での生産者の高齢化がいわれ生産意欲の減退、将来の採取量の減少が叫ばれてたものの、今年は高値に刺激され一部の浜では増産意欲の高まりを確認できた年でもあった。
 全国生産量の最終集計は平成16年の春に報告できる予定である。
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