ホーム 基礎知識 レポート お料理レシピ 通信販売 会社概要
てんぐさ入札会報告 平成12年(2000)
01 2000/05/30 徳島県漁連第1回てんぐさ入札会
02 2000/06/15 東京都漁連第1回てんぐさ入札会
03 2000/06/21 静岡県漁連第1回てんぐさ入札会
04 2000/06/30 和歌山県第1回てんぐさ入札会
05 2000/07/04 愛媛県第1回てんぐさ入札会
06 2000/07/05 静岡県第2回てんぐさ入札会
07 2000/07/06 東京都第2回てんぐさ入札会(中止延期)
08 2000/07/14 三重県第1回てんぐさ入札会
09 2000/07/18 伊豆八木沢、小下田入札会
10 2000/07/19 静岡県第3回入札会
11 2000/07/27 東京都第2回入札会
12 2000/07/28 城ヶ島漁協入札会
13 2000/08/01 和歌山県、三重県第2回入札会
14 2000/08/02 長崎県第1回入札会
15 2000/08/02 静岡県第4回入札
16 2000/08/09 徳島県第2回入札会
17 2000/08/17 東京都第3回入札会(中止延期)
18 2000/08/30 高知県第1回入札会
19 2000/09/05 石川県第1回入札会
20 2000/09/05 愛媛県第2回入札会
21 2000/09/06 静岡県第6回入札会
22 2000/09/07 東京都第3回入札会
23 2000/09/22 伊豆八木沢、小下田入札会
24 2000/10/04 東京都最終回入札会(中止)
25 2000/10/11 静岡県第8回入札会
26 2000/09/05 平成12年度 まとめ

01 2000/05/30 徳島県漁連第1回てんぐさ入札会

 平成12年度のてんくさ入札会第1回が全漁連共販で5月30日徳島で開催された。
 昨年の第1回目は6月11日で出品数量は30トン。今年は一昨年の52トンにはおよばないものの42トンの出品であった。
 入札参加者は昨年の6社に対し今年は7社が参加。今年最初の県単位の入札会でその動向が注目されるところであった。
 景気の低迷などによる需要減から価格は安値が予想されたが、意外にしっかりしていて、一部昨年より高いものも出て昨年にもたれた相場模様で慎重なすべりだしになった。

ページ先頭へ

02 2000/06/15 東京都漁連第1回てんぐさ入札会

 6月15日東京都漁連の天草の入札会が大田区京浜島でおこなわれた。
 今年は約20トン、昨年は同時期28トンの出品であった。入札参加者は11社、今回は入札会場の様子を報告する。
 出品数は24品目、それを一括で希望価格を記入、入札する。もちろんすべて応札する必要はない。この日は24品目中、15品目程度応札した商社が2社ほどありそれが多く応札したほうである。
 開票は順次、発表に移り、前の黒板に書き上げられ最高値が落札となる。写真はその準備のところである。
 結果は昨年と比べ、数量減にもかかわらず昨今の不景気を反映してか、やや低調気味に終りった。

ページ先頭へ

03 2000/06/21 静岡県漁連第1回てんぐさ入札会

 今年第1回目の伊豆の入札会が6月21日に静岡県下田市の静岡県漁連下田出張所で午後1時30分よりひらかれた。
 応札商社は10社、出品品目数は42品目29トンであった。ちなみに昨年は8社14品目5トンであった。
 今年の数量が多いのはいつも出品されない仁科浜漁協分16品目19トンが今回出されたのが原因であった。相場は数量の多いことが影響し、安目で終了した。
 伊豆の場合は各浜の組合倉庫に現物があり、入札会場には見本(300g程度)が展示される。詳しくは現場の倉庫の品を見る必要がある
 写真は西伊豆町仁科浜漁協のてんぐさ倉庫である。コンクリート作りの戦前の作りと思われる。東浜でも同様、下田市白浜漁協のてんぐさ倉庫もコンクリート作りの古いものがある。

ページ先頭へ

04 2000/06/30 和歌山県第1回てんぐさ入札会

 和歌山県のてんぐさ入札会が大阪市北区の大阪海苔問屋組合事務所で開催された。
 今年は約30トンの出品、応札商社は7社、(昨年は同じ6月30日に16トン6社)であった。価格は予想どおり、落ち着いたものになった。
 和歌山県の場合は1年で2回の入札で、2回目は以前は和歌山市や和歌山市郊外の二里が浜で開催されていたが、距離的に遠いこともありここの大阪市内の海苔組合の事務所でおこなうようになった。
 写真のように、現品、1俵を持ち込み、それを関係商社が品の見定めし、入札していく形式である。

ページ先頭へ

05 2000/07/04 愛媛県第1回てんぐさ入札会

 愛媛県のてんぐさ入札会第1回目が松山市内愛媛県漁連で開催された。ここの入札は見本が各組合の品目ごとに1から2本出され、それを見付する方式である。
 単独入札会では近年、ここの場が一番おおく出品され、今年は約120トン(昨年は同時期145トン)であった。
 今年は地元NHK松山放送局から取材にきていた。放送は地元局のニュースで午後6時10分よりされた。
 ここ愛媛県ではてんぐさについての関心が強く、帰りのタクシーの運転手さんも「自分で鍋でてんぐさを煮て、ところてんを食べるんですよ、」と言っていた。
 相場はいままでの流れをたどり落ちついた展開であった。ただ、この時期三宅島、神津島方面の噴火模様、地震の頻発があり、今後のてんぐさの集荷量が心配されるところである。

ページ先頭へ

06 2000/07/05 静岡県第2回てんぐさ入札会

 第2回入札会が下田で開催された。
 一部稲取地区のものについて前回より高くなったが他の地区、下田地区の白浜、外浦、須崎地区、西伊豆の田子あたりは安くなり、相場全体をみると高安まちまちといった展開になった。
ページ先頭へ

07 2000/07/06 東京都第2回てんぐさ入札会(中止延期)

 不作気味のところに三宅島噴火騒動、神津島近海の地震による操業停止状態が影響。
ページ先頭へ

08 2000/07/14 三重県第1回てんぐさ入札会

 今年最初の三重県のてんぐさ入札会である。
 志摩半島のすべての組合のてんぐさがここ、松阪市の三重県漁連倉庫に集めらる。現荷を見て、入札するのは徳島県、東京都とここだけである。
 ひろい倉庫内にてんぐさが並んでいるのは壮観である。今年は45トン(昨年は31トン)応札商社は8社、価格はいままでの流れに沿って落ち着いた展開であった。
 ちなみに新聞報道によれば、1999年三重県の漁協組合28組合で海女人数は1368人である。約20年前の78年は3602人、戦後すぐの49年は6109人である。これをこれだけ減ったとみるか、いやまだ結構やってるなとみるか、見解が別れるとこである。
 私見をのべるならば「まだ結構やっている」と思われるが、ただ高齢化がすすんでいるのでこれからの減りようを注目しなければならないところである。

ページ先頭へ

09 2000/07/18 伊豆八木沢、小下田入札会

 西伊豆、土肥町の八木沢、小下田漁協でのてんぐさ入札会がおこなわれた。
 昨年は八木沢10トン弱が今年は14トン、小下田では昨年8トン弱、今年もほぼ同量の8トンであった。
 静岡県は県漁連での共販入札がほとんどであるが、ここに土肥町のみ単独でおこなっている。また、八木沢漁協分は浜晒になっていて、トラ晒、赤トラ晒、青トラ晒、などいろいろ区別がある。
 一方、小下田は赤草出品が多くそれぞれ特徴がある。どちらも、ところてんに粘りをもたせる、てんぐさである。
相場は今年のいままでのながれどおり、落ち着いていた。
ページ先頭へ

10 2000/07/19 静岡県第3回入札会

 第3回、入札会がおこなわれた。
 昨日の西伊豆の入札と連続となり、応札商社は9社、価格は稲取地区で大川まくさ粗改良、稲取まくさ粗改良は前回より高くなった。一方下田地区はやや下げた結果がでた。
 総じていえば落ち着いた雰囲気であった。が、来週7月27日(木)の伊豆七島の入札が三宅島、神津島近海の噴火、地震の影響がどういう影響を及ぼすか懸念されるところである。
ページ先頭へ

11 2000/07/27 東京都第2回入札会

 延期になっていた東京都伊豆諸島のてんぐさ入札会が7月27日おこなわれた。
 左の写真は今回の集荷荷物の倉庫内風景である。例年に比較して空きスペースがかなりありガランとしているのが分かる。昨年同時期までに出品数量は71トンに対し、今年は26トンと約1/3の数量である。
 特に問題の噴火、地震が続く三宅島、神津島、式根島については特に減産傾向にありしかも今後の収穫もほとんど期待できない様子である。
 真ん中の写真は漁連の担当部長の佐々木氏が各島の現地調査報告をしているところである。雨が汚泥を海に流し込み漁場がいっそう、不良状態になっているとの報告もでた。
 写真右は、撮影してきた一部、新島、若郷港で周囲の岩場が崩落しているのが分かる。撮影、都漁連、佐々木氏。
 価格はいうに及ばず、地震前に採ったわずかな数量を出席商社11社が競争しあい、高いものになった。なかには全く買えなかった商社もあり、今後の状況の展開が注目されるところである。

ページ先頭へ

12 2000/07/28 城ヶ島漁協入札会

 神奈川県は城ケ島漁協のてんくさ入札会であった。
 神奈川県ではあと1カ所横須賀市の長井漁協がてんぐさの入札会をおこなう。他県では都漁連、県漁連単位で入札するのに神奈川県では単独の漁協単位での入札になっている。
 出席者はFAX入札を含め、5社であった。

ページ先頭へ

13 2000/08/01 和歌山県、三重県第2回入札会

 第2回目和歌山県のてんぐさ入札会が大阪の海苔会館でおこなわれた。
 昨年とほぼ同時期で昨年17トン、今年16トンであった。今回の出品は白浜から御坊市にかけての出品であった。価格はいままでの傾向どおりでおちついていた。
 また、同時に三重県の2回目が続いておこなわれた。昨年も量がまとまらなくて同様に和歌山のあとに引き続いておこなわれた。今年の数量は約2トン、昨年は1.4トンだった。今回、初回ものは浜島と菅島であった。
 街の中心でてんぐさの入札がおこなわれるのはここ大阪だけである。海苔会館のある北区菅原町、南森町界隈はもともと乾物問屋さんの集合地域である。


ページ先頭へ

14 2000/08/02 長崎県第1回入札会

 昨日に引き続いて長崎県にとぶ。例年この時期はてんぐさの入札会が集中する。昨年は長崎のあとが大阪であった。暑いなか、てんぐさの買付け業者のふんばりどころである。
 長崎では昨年12トンに対し、今年は18トンと多く出品され、価格はいままで同様、落ち着いて終了した。
ページ先頭へ

15 2000/08/02 静岡県第4回入札

 第4回の入札会が下田市で開催、同じ日に長崎でも開催されてた。
 静岡県ではFAX入札で札値はいれるが肝心なてんぐさが検品できない業者もでる。いずれにしてもまえもって浜の漁協倉庫で現品確認が大切になってくる。
 今回は仁科浜漁協分が多く出品されこの分については安く落札された。そのほかの地域、著名浜の須崎などは前回より高くなった。
 一次産品の入札では当然のことながら価格は需給のバランスでなりたっているのが結果に出ていた。
ページ先頭へ

16 2000/08/09 徳島県第2回入札会

 第2回入札会が徳島県の水産会館で(写真)おこなわれた。
 新しく徳島市は南沖洲のマリンピアに1昨年できここに漁協系統6団体(県漁連、新漁連、保険など)はいっている。水産会館の向かいはすぐ海である。
 入札の方は、昨年17トンほどが今年は52トンも集まり、出席商社数も5社と少なく、ややさびしい入札であった。

ページ先頭へ

17 2000/08/17 東京都第3回入札会(中止延期)

ページ先頭へ

18 2000/08/30 高知県第1回入札会

 今年最初の高知県のてんぐさ入札会が高知市の水産会館(写真)でおこなわれた。南国、高知らしく隣の商工会館にはソテツが植えてある。
 水産会館は昭和41年建築である。入札参加者は5社で出品量は室戸岬中心に30トンであった。昨年は不作で15トンでした。平年作にもどったところである。
 てんぐさ全体では伊豆諸島の噴火災害で量不足から心配されたが、まずは落ち着いた価格で収まった。
ページ先頭へ

19 2000/09/05 石川県第1回入札会

 今年最初の北陸石川県のてんぐさ入札会が金沢でおこなわれた。
 ここの最大特徴は寒天原藻のうち「てんぐさ」はわずかで「えご」が多く出品されるところである。えご草はここ石川県能登半島のほか新潟県、青森県と日本海沿岸と産地が限定されている。
 また、収穫量が年によって大きく変動し、また品質のその年の海況、採取時期によっておおきく異なる。値段もいきおい高くなり、生産者も入札会に関心がたかまることになる。
 今年、当日は主生産地の輪島漁協から生産者が大型バスで30人ほど到着、相場の成り行きを注目していた。
 結果、昨年よりおおく出品されたが、昨年同様高く、単価決着となった。

ページ先頭へ

20 2000/09/05 愛媛県第2回入札会

 石川県と同日で愛媛県で第2回の入札会が開催された。
 同日開催は8月に長崎県と静岡県であり、今年2回目である。やはり入札会が集中してくるときは集中してくる。このあと静岡県、東京都と連続3日間つづく。
 愛媛での出品は昨年9トンに今年は13トン、また、出席商社は4社とすくなかった割に相場はてんぐさ入札会も今年最終に近づいたことで、思ったよりしっかりという感じであった。
ページ先頭へ

21 2000/09/06 静岡県第6回入札会

 第5回入札会が下田市の静岡県漁連賀茂出張所でおこなわれた。
 以前、紹介したようにここでは300g程度の見本がだされ、それを参考に値段を決め各自入札する。実際は現場の倉庫へ出向き、現荷を確認することが大切である。

ページ先頭へ

22 2000/09/07 東京都第3回入札会

 2度、延期になっていた東京都伊豆七島の入札会がようやくおこなわれた。
 出品数量は27トンであった。しかし三宅島、式根島関係では晒てんくさのところてん用の高級品についていえば、いままでの累計で昨年約50トンのところが今年は9トン程であった。
 必然的少ない荷物を競争入札で札入れとなり、高いものとなった。
 三宅島では全島避難勧告がこの入札の2〜3日前にでて今後の集荷見込みはまったくない状況である。加えて他地域(伊豆大島、八丈島)も数量期待できず、今日の入札会で本年のてんぐさも終了になるやも、との観測も都漁連の担当からでた。
 写真は大田区平和島に平成10年完成した都漁連水産物流通センターである。建物の左側がすぐ東京湾である。ここに島からてんぐさが集荷され入札会がおこなわれる。

ページ先頭へ

23 2000/09/22 伊豆八木沢、小下田入札会

 てんぐさ入札会もいよいよ終盤にさしかかってきた。
 あと、予定では伊豆の下田での共販入札会が10月11日に最終会予定が入っている。伊豆諸島の入札の東京都は数量が少なく最終会入札ができるかどうか微妙なところである。いままでに東京都は2回中止、伊豆半島の静岡県も2回中止になっている。
 そんなところでの伊豆八木沢の入札会で数量は昨年の約50%の11トンあまりであった。価格はいままで出品が少なかった浜晒の黄色の晒、ここでは岡トラ1等になりますが、前回、もしくは昨年より高くなった。
ページ先頭へ

24 2000/10/04 東京都最終回入札会中止

 延期していた第4回の入札会は結局、荷物の集荷状況が極端にすくなく、最終回は異例の中止と決定された。当初、東京都漁連では6回の予定が都合、3回のみで終わることになった。
 集荷量は昨年の約半分、78トン(昨年は157トン)の入札量だった。特に、三宅島は少なく昨年の30%程度で終了となった。噴火前の採取分のみであった。
 現在、三宅島は行政関係も避難していて、詳しい状況はわかっていない。東京都水産試験場の9月6日発の「三宅島噴火災害調査結果について・・・8月29日〜30日にかけての三宅島噴火災害漁場調査・・・」の報告書によると今後の憂慮が記載されている。
 以下、一部抜粋する。「今後、大雨による火山灰の大量流入、テングサ等海藻類への火山灰付着の長期化、濁りによる光量不足の長期化などにより、トコブシの大量へい死、テングサの枯死がおこる可能性がある。」
 今後の噴火活動、海底の波の洗い状況など来年にむけての調査報告が待たれるところである。

ページ先頭へ

25 2000/10/11 静岡県第8回入札会

 静岡県では本年最後の入札会が行われた。回数では8回とはいうものの実際は8月23日予定の第5回と9月20日予定の第7回が中止だったため、本年は実質6回ということになった。今回も第4回と同様、西伊豆町の仁科浜漁協分が出品され数量では約32トンの出品量となった。価格はほぼ前回並みから一部強くなったものも散見された。
これで静岡県の全体の県漁連共販の入札は終了になった。
 昨年比では東海岸ものの稲取、須崎、外浦、白浜は減産になったものの西海岸の仁科浜が昨年ものが今年に出品され、今年は約118トン(昨年は約86トン)になった。
ページ先頭へ

26 2000/10/15 平成12年度 まとめ

 全国のてんぐさ入札(生産)量

以下の表は、昨年までの年別てんぐさ入札(生産)量です。

産地\年 平成12年 平成11年 平成10年 平成9年
東京都 78 178 147 173
静岡県 152 169 138 155
三重県 46 38 32 29
和歌山県 46 36 47 57
徳島県 98 47 103 99
愛媛県 143 156 195 174
高知県 30 17 23 34
長崎県 18 32 36 27
上記産地計 611 673 721 748
全国生産量 集計中 821 938 988

(単位:トン)株式会社 森田商店 調べ 2000/10/15

 この表の数値で平成12年についてはてんぐさ入札会に出品された数量計である。
 これ以外ではおもなところでは青森県、千葉県、富山県、兵庫県、愛知県、大分県などで水揚げされているがそれを含めた全国てんぐさ生産量は例年翌年の春以降に集計結果がでる。
 ところてん用てんぐさの代表格である伊豆七島、東京都の数量減は三宅島噴火、神津島近海の地震の影響によるものである。
ページ先頭へ