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\. 寒天・てんぐさの科学
@ 食感は数値で分かる
A 寒天質はテングサの形状で決まる
B 生育環境がテングサに影響を与える
C 生育時期がテングサに影響を与える
D テングサに付着しているカキの影響
E カキの付着量が製造に影響を与える
F 寒天の離水率について

C 生育時期がテングサに影響を与える

 テングサは全国で採取されますが、各々形状や性質が異なっています。今回は生育年度と形状・性質の関係をご報告致します。
※産地については漁協関係者に影響を与えることを考慮し、省略させて頂きます。

《試験目的》
・テングサの生育環境(生育地、生育時期、水温等)はテングサの形状や含有する寒天質に影響を与える。
・今回は「生育年度」とテングサの形状について検討した。生育時期(採取時期)は2009年と2013年。

《試験方法》
・テングサK(マクサ)を水で洗浄し、枝葉や太さ等形状を確認した。

《結果と考察》
・テングサK(2009年産)の形状は、あまり枝分かれしていなかった。一方、テングサK(2013年産)の形状は枝分かれが多く、フサフサしていた。
・海洋環境は常時変化しており、2009年の海洋環境と2013年の海洋環境は異なっていたと考えられる。この海洋環境の違いが最終的にテングサの形状に影響を与えたと考えられた(この時の海洋環境のデータは収集できず)。
・寒天質はテングサの形状できまる為(研究報告A)、今回の2サンプルも同様に、抽出される寒天質は異なると考えられる。
・以上より、生育年度が異なる場合、テングサから抽出される寒天質も異なる場合があり、同じ産地のテングサでも毎回確認が必要である。
・因みにテングサK(2009年産)は黄色、テングサK(2013年産)は緑色と2サンプルで色が異なっているが、これは晒した時期が異なっていた為である(採取してすぐに晒すと黄色くなり、採取から半年以上した後に晒したテングサは緑色となる)。

《テングサK・2009年産》

《テングサK・2013年産》

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