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\. 寒天・てんぐさの科学
@ 食感は数値で分かる
A 寒天質はテングサの形状で決まる
B 生育環境がテングサに影響を与える
C 生育時期がテングサに影響を与える
D テングサに付着しているカキの影響
E カキの付着量が製造に影響を与える
F 寒天の離水率について

@ 食感は数値で分かる

 寒天って、プルンとした食感が美味しいですよね。でも、この食感、使用する寒天によって少しずつ異なってくることはご存じでしょうか?
 一般的に糸寒天を使用すれば弾力のある商品ができます。一方で、粉寒天を使用すると硬い商品ができます。この為、羊羹のつなぎ等、和菓子には糸寒天を用いることが多く、サクッとした食感の寒天には粉寒天を用いることが多いのです。
 ただし、製造する方々は商品に思い入れがあり、各々、微妙な食感を追求しています。各社が製造している羊羹や寒天菓子を食べ比べてみると、それぞれ食感が微妙に異なっていますよね。
 この為、使用する寒天も微妙な食感を表現できるものでなければいけません。弊社ではそのような要望にお応えする為、寒天についての食感を各々試験し、お客様のご要望に合った寒天を定常的にご提供させて頂いております。
 弊社の試験方法は下記の通りです。

《寒天の食感の試験方法:美味しさの数値化》

 1.食感:1.5%寒天溶液を作り、冷やし固めた時の触感を確認。
 2.色調検査:1.5%寒天溶液を作り、冷やし固めた時の色調を確認。
 3.ゼリー強度:日寒水式の方法を用いて測定。寒天の1.5%溶液を作り、20℃で15時間放置凝固したゲルについて、その1cm当たり20秒耐えうる最大重量を測定。その値をゼリー強度とする。
 4.粘度:寒天の1.5%溶液を作り、60℃における粘度を測定。弊社は振動式粘度計を用いて測定。
《参考文献》林金雄, 岡崎彰夫『寒天ハンドブック』光琳書院(1970)

 ゼリー強度と粘度の関係は以下のグラフのようになります(弊社研究室調べ)。ゼリー強度が同じ場合、粘度が高くなるにつれ、弾力が高くなっていくことが分かりますね。

グラフ

※上記グラフは弊社試験条件下におけるデータを元にしております。
※上記グラフは各データの近似曲線です(n=255)。実際のデータは必ずしも上記グラフ上にプロットされるとは限りません。

 実際にお客様に提供する際は、このグラフ上に試験した寒天のゼリー強度と粘度を当てはめてみて、その位置とグラフを比較して最終的に弾力の有無を確認します。
例)寒天@:ゼリー強度700gc、粘度28gc
  この値をプロットすると弾力有りのグラフ上にくる。
  官能テストでも弾力があった為、寒天@は弾力があると判断する。
  寒天A:ゼリー強度700gc、粘度10gc
  この値をプロットすると硬めのグラフ上にくる。
  官能テストでも硬めと判断できた為、寒天Aは硬めと判断する。
天草についても同様の試験をし、ご希望の食感を表現できる天草を提供しています。

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